Baseball! ページ6
Ohtani side
一言でいえば彼女は「察しのいい子」だった。
彼女の声に振り返って涙を流しているのを見たとき、ファンの子かな、と一瞬思って怯んでしまったけど、一連の話を聞くにもう少し深いわけがありそうだった。でも彼女も俺の立場を分かって深堀りせず気遣ってくれたし俺もあまり聞かないことにした。
俺の少し前を歩く彼女は小さくて丁寧にまかれた黒髪とぱっちり上がったまつげが綺麗だった。本当だったら「ありがとう」だけ言って帰ってくるつもりだったのに、らしくもなく何だかセンスのない捨て台詞を吐いてしまった気がする。でも、後悔はなかった。何となく、あの子の涙を止めてあげたかったんだ。本当にらしくもないけれど。
『名前、聞いておけばよかったかな。』
車のエンジンをかけながら俺はそんなことさえ考えていた。
Aside
あの図書館での出来事から数週間。
あの後すぐに書いている論文の中間発表がありバタバタして、私の意識は課題と日常に飲み込まれた。あの夢のような出来事がまた顔を出したのは中間発表の準備が落ち着いた時期だった。メジャーリーグはとっくにシーズン・インしてて大谷くんは相変わらずの二刀流っぷりを発揮しているみたいだった。
『今度試合見に来なよ。プレーで元気づけてあげる。』
あの時の彼の言葉を思い出す。
手元には6回を無失点で投げ切って笑顔を見せる大谷君の一面記事。
「やっぱり夢だったのかな。…球場、行ってみようかな。」
スケート馬鹿だったあの頃、お父さんは楽天ファンでよく試合を見に仙台の球場に連れて行ってくれた。そのおかげでルールもある程度分かるし、それに彼の、大谷君のすごさも分かる。だからこそ私の横を歩いていた優しい彼のプレーが見てみたくなった。
「よーし、思い立ったら即行動！」
私は明日の試合のチケットをとるべくパソコンを開いた。
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みび - 続きが気になります！ (9月8日 23時) (
レス) id: 4e8c4ab155 (このIDを非表示/違反報告)
るう(プロフ) - miya381117さん» コメントありがとうございます！頑張ります！ (6月4日 16時) (レス) @page30 id: dfa5704a4e (このIDを非表示/違反報告)
miya381117(プロフ) - 続きが気になりすぎて眠れない^ ^翔平行けー！ (6月1日 21時) (レス) @page29 id: e8bd8eef5b (このIDを非表示/違反報告)
るう(プロフ) - 桐山めぐさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてすごくうれしいです！！投稿頑張ります！ (6月1日 17時) (レス) @page29 id: dfa5704a4e (このIDを非表示/違反報告)
桐山めぐ(プロフ) - こんにちは！このお話めちゃくちゃ面白いです♪大谷さん 主人公ちゃんに連絡出来ない日々を耐えてやっと会えると思ったのに、、主人公ちゃんに何もありませんように祈ります(T_T)続きも楽しみにしてます！応援してます♪♪ (6月1日 17時) (レス) @page29 id: bb3023c008 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るう | 作成日時：2023年5月26日 15時
