そ う る − と

うた ページ10

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「私、話聞くまでは女の子苦手なのかなぁとか思ってたけど」
　

まさかうわさ話のせいで近づいてこないとは思わなかった。



奏「そーですよー。別に女の子と話したくないわけじゃないですよーだ」


「あ、拗ねた？」

奏「拗ねてない」
　


ぷいっとそっぽを向く奏くん。

絶対拗ねてるよね。


かわいいなコイツ。
　


イケメンで可愛いとか最強かよ。



「じゃあさ、私がこの学年初の女友達ってわけだ」


奏「まぁ、そうなるね」
　

ふぉおおおおマジか！！



「なんか特別感感じない！？結構嬉しいんだけど！」


奏「なんでそんなことで嬉しくなるの…」



「わかんない！けど今大声で歌えるくらいには気分あがってる！」
　


私のその言葉に、なぜか奏くんがぴくっと反応したように見えた。




奏「…歌、好きなの？」


「え？うん。好きだけど」




奏「じゃ、じゃあ、うたい…」






奏くんが何か言いかけた時、視界の端に、走ってくるバスが映った。


奏くんもそのことに気づいたらしく、開いていた口をキュッと結んだ。





奏「……じゃあ、またね」


「あ、うん。ばいばーい」




最後、なにか言いかけてたけど…、




ま、明日聞けばいっか。

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