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O「 …またすぐ呑み行こな! 」
Ki「 …おう 」
O「 忙しぶるなよ〜! 」
Ki「 ふざけんなよ(笑)お前がな! 」
そして俺は 次の仕事に向かうため扉に手をかけた
その時
ふいに背後から 優しく抱きしめられた
Ki「 !!…おお…くら…? 」
そして彼は 俺の耳元でボソッと呟いた
O「 ごめんな… 」
優しくて
寂しい声だった
Ki「 んっ…いいって… 」
回された腕を剥がそうとしても
大倉はなかなか力を緩めてくれなかった
Ki「 遅れちゃうから… 」
そう言うと 大倉はやっと俺を解放した
本当はずっとこのままでいたかったよ
だけどそれじゃあ
俺は前に進めない
Ki「 今更未練持たせるような事すんなよバカ 」
心の底からそう言ってやった
そんな俺を見て 大倉は悪戯っぽく笑った
からかいやがって…
Ki「 じゃあな! 」
O「 おうっ 」
大倉はそう言って 軽く右手を挙げた
そんな彼に手を振って 俺は部屋を出た
首元に残った彼の香りはなかなか消えなかった
それがどうしようもなく
俺を切なくさせた
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作者名:瑠 花 . | 作成日時:2016年3月12日 17時