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「 …まっ!!!やま!!北山!!! 」
懸命に誰かに呼ばれてる気がした
あれからどのくらいの時間が経ったのだろう
そんな事は把握出来ぬまま 俺はゆっくり目を開けた
F「 北山!!!! 」
Ki「 …ふじ…が…や? 」
F「 いい加減にしろよ!!!心配させんじゃねえよ!!!! 」
Ki「 … 」
F「 ふざけんな…北山の事が心配なんだよ……弱いから…北山は弱いから 」
悲痛な叫びを聞いた
俺は弱い…
そんなの俺が一番分かってるよ
Ki「 ごめん… 」
藤ヶ谷の目から 一粒だけ涙が溢れた
それ以上彼は泣かなかった
Ki「 …有難う 」
俺にはこいつが必要なんだな
今更そんな事に気付いた
だから今までの有難うを ここに詰め込んだ
これからの有難うは…これから言おう
F「 …もういいや… 」
K「 え? 」
F「 もういいやって…何? 」
俺そんな事言ったんだっけ
その言葉が 、藤ヶ谷をここまで走らせたんだ
Ki「 …もう諦めようと思う…こんな片想い、醜いだけなんだよ… 」
F「 … 」
Ki「 お前らが期待してくれてるのは分かってるし ずっと気遣わせてる事も分かってる…だけど無理なんだよ…大倉に俺の気持ちは届かない…このままだと俺は大倉を好きになった事後悔する…そんなの嫌なんだよ… 」
F「 …そっか……北山がいいと思ってるならそれでいいんじゃねえの? 」
藤ヶ谷はそれ以上何も言わなかった
俺は時々 こいつが分からなくなる
お前の気持ちが知りたいよ
きっと本当はそんな事思ってないんだろ?
勿論そんな事が 聞けるわけもなかった
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作者名:瑠 花 . | 作成日時:2016年3月12日 17時