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Prrrrr… Prrrrr…
Ki「 もしもし 」
出るじゃん…
F「 北山?今何処に居る? 」
Ki「 何処って特に… 」
F「 大倉くん。さっきまで一緒に居たんだろ? 」
Ki「 えっ…まあ 」
北山は 少し気まずそうに返事をした
F「 北山が急に帰ったって 電話に出ないって 心配して俺に電話掛けてくれたんだよ 」
Ki「 … 」
F「 何処で何やってんだよ! 」
声を荒げてしまった
頭にはすぐ
申し訳なさそうな顔をする北山が浮かんだ
Ki「 ……藤ヶ谷…俺………もういいや 」
F「 はっ?! 」
ツーツー…
その言葉を最後に 一方的に切られた電話
そんな捨台詞吐かれて
心配するなとでも言う気かよ
F「 …っざけんな 」
携帯だけを手に持ち 俺は家を飛び出した
北山の行きそうな場所…
あまりそういう付き合いをしてこなかった俺に
そんな事は分からなかった
とりあえずもう一度大倉くんに電話を掛け
呑んだ場所だけ把握した
まだ近くに居るかもしれない
そんな願いを胸に 俺は街中を走り回った
だけどそんな簡単に 彼が見つかるはずもなかった
(Ki side)
藤ヶ谷の事だから 心配して捜しに来ちゃうかな…
もしかしたら心の何処かで俺は
それを願っていたのかもしれない
心配してほしい…?
ダメだなあ俺
フラつきながら俺は
近くのベンチに倒れ込むように座り
そのまま眠ってしまった
季節は冬。
冷え込む夜が続いていた
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作者名:瑠 花 . | 作成日時:2016年3月12日 17時