今日:9 hit、昨日:10 hit、合計:67,691 hit
小｜中｜大
１３ ページ13
ピンポーン
ガチャ
F「 北…山…？ 」
目の前に現れたのは
間違いなく北山のハズなのに
それは俺の知ってる彼ではなかった
髪の毛はボサボサで
目は真っ赤に充血し
瞼はとても重そうに腫れ
唇は水分を失い、乾燥しきっていた
F「 …泣いたの？ 」
思わず漏れた心の声
Ki「 …入って… 」
北山はそれには答えず 俺を中へ入れた
Ki「 適当に座って… 」
俺には目もくれず そう言う北山
とりあえず今は様子を見よう
そう思って
言われた通り適当に座った
フラフラする彼が心配で
F「 飲み物はいいよ 」
そう言って 北山を目の前に座らせた
彼の目は虚ろで
何処を見ているのか分からなかった
F「 なあ…俺の事もっと頼ってくれよ… 」
俺達はいつも 多くを語ってはこなかった
それで成り立っていたから
話さなくても分かる
それが俺らの距離だから
そう思っていた
だけど本当はそんな事なくて
話さなくても分かるという空気感が
北山を苦しめていた
だから
聞いて北山？
頼って欲しい…
北山は何も言わなかった
何も言わずに 泣き出した
綺麗な涙が 透明な涙が
ハラハラと彼の頬を撫でるように落ちた
そんな彼を見ているだけで苦しかった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 132人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瑠 花 . | 作成日時：2016年3月12日 17時
