There is always light behind the clouds. 2 ＜HP長編＞ (ページ6)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:9,303 hit

6 ページ6

「スリザリンのA・カーラーです。あの、ドラコとお話出来ませんか？」
せかせかと動くマダム・ポンフリーに恐る恐る聞くと、「ええどうぞ」とカーテンの中へ案内してくれた。
「ありがとうございます」
「いいえ」
シャッとマダムがカーテンを閉めた。
「……ドラコ」
「……」
「大丈夫？」
「ああ」
むすっとした、眉間に皺の寄っているドラコの顔をじっと見ると、彼の顔がほんのり赤くなった。
「……何で」
「え？」
「なんで、真っ先に来てくれなかったんだ？」
「……っ」
なんで、なんてそんな。ただ、パンジーに気を遣っただけで、本当は、真っ先に行きたかっただなんて口が裂けても言えない。
口を噤む私に、ドラコがため息をついた。
「……パーキンソンより、Aに大丈夫？って言われたかった」
「え、それってどういう……」
「それ以上聞くのは野暮だと思わないかい？」
「え、う、うん。……でも、私も」
私も、本当は……
「ドラコの所にすっ飛んで行きたかった……」
ただの怪我だし、大袈裟になることもないけど、やっぱり気づいたら、こうやって熱心になっちゃうんだよなあ……
「……そうだ、A」
「何？」
「君の用事が片付いてからで構わないから、今度家に晩御飯を食べにこないか？」
「え？ルシウスさんたちが良いって言うなら……」
「父上も母上も良いと言っていた。……僕も、君と色んな話がしたいんだ、久しぶりに、たくさんの話を」
「……そう。なら、都合がついたら教えるわ。今は、……シリウスを見つけたいから」
「……確かポッターもシリウス・ブラックを探しているな」
「……多分、私もそれと同じ理由よ」
「そうか。……頑張れ、君ならきっと出会えるさ。シルマさんのお兄さん何だろう？」
「うん……たくさんのお話を聞きたいの」
「きっと出来るさ」
「ありがとう、頑張るわ」
「その意気だ」
本当はこんなことめったに言わないのに、今こんな事を言うなんて。
━━期待しちゃうよ。
そんなことは言えないけど、やっぱりプラスに考えたい。
ドラコは、どんな気持ちなんだろう━━━━━？