There is always light behind the clouds. 2 ＜HP長編＞ (ページ4)

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「だって……彼は幼馴染みよ。……パンジーとの方が絶対にお似合いだわ！それに、私は……」
「A、落ち着いて。ほら、教科書持って？小屋に行くよ」
「ええ……」
私の情報処理能力はこんなにも低かったのか。
シリウスと会えたらいいな、お母さんのいろんな話を聞きたい。そう思ってここ数日過ごしてきたのに、突然そこに異物が入り込んだ感じで、どうにも違和感しかしないのだ。

……好き？ドラコのことを？私が？
落ち着いてきた脳みそで考えたら、少しだけ答えが出た気がした。
パンジーがくっついているときのモヤモヤと、隣に座られた時にドキリとしたことなどなど……総合して考えたら、確かに自分が今持っている感情とは別の感情が芽生えていることが容易に想像できた。
そうか、やっぱり私はドラコが好きなんだ。
勝手に解決して、嬉しそうにしていた私は、エリオットに「何百面相してるの？」と不思議そうに問いかけられた。

魔法生物飼育学の最初の授業。
今日はバックビーク……というのはハグリッドがつけた名前だ。ヒッポグリフという生物についてやるんだとか。
スリザリン生はハグリッドが好きじゃない。私は例外だけど。
ドラコやパンジー、クラッブにゴイルが案の定授業を引っ掻き回した。
グリフィンドールとの合同授業だったから、私はハーマイオニーの所にさり気なく寄ってみたら、「あらA」と話しかけられた。秘密の部屋の時に培った友情は伊達じゃない。
「ハリー凄いわね！ヒッポグリフともうお友達だなんて」
「本当に！」
「ハーマイオニー、すごい数の授業をとってるんでしょ？体には気をつけてね」
「ありがとう」
ハーマイオニーと話していた時、ヒッポグリフは誇り高い生き物で、侮辱をすることは許されないという説明を聞いていたにも関わらず、ドラコがお辞儀もせずヒッポグリフ━━バックビークに近づいて、あろう事か侮辱ととれる言葉を掛けた。
当然バックビークは怒るわけで、鋭い鉤爪で引っ掻くと、ドラコは倒れ込み、「死んじゃう！」と喚き出した。ハーマイオニーにごめんと言って、ドラコのもとに駆け寄る。
「そんなんじゃ死なないわよ、ドラコ。マダム・ポンフリーの手にかかればお手の物なんだから」
「A……」
「ハグリッド、私、医務室までついて行くわ」
「お、おお。……ほれ行くぞマルフォイ」
「うう……」
ハグリッドに付き添って、私は医務室へ向かった。
ハーマイオニーたちに手を振って。