There is always light behind the clouds. 2 ＜HP長編＞ (ページ2)

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馬車がホグワーツに着いて、皆が降りる。
エリオットと一緒に降りると、ドラコが嬉しそうにハリーに絡んでいた。毎回思うが、絵に書いたようなスリザリン生とグリフィンドール生である。
「ポッター、気絶したんだって？」
「ドラコ、やめて」
「ウィーズリー、君も縮み上がったのかい？」
ハリーやロンたちに絡む時だけ、彼は周りが見えなくなる。肘で小突いても気づかない。
「どうしたんだい？」と、穏やかで優しい声がした。
ドラコは先生のことをじろじろみた。それこそ蛇のように。そして、皮肉混じりに「いいえ、何も。━━せんせい」と言った。
「すいません先生……」
「良いんだよ別に。君も大変だね、A。五年生になったら監督生かな？」
「あ、まあ……はは。……でも先生、」
どうして私の名前を知っているんですか？
私のことを名前で呼んでいることに引っかかって、直接聞いてみたら、微かに微笑んで「君のお母さんは私たちの同級生なんだよ」と言った。なるほど、納得。お母さんはどの寮の人からも好かれていた、所謂人気者だし、先生がどこの寮だったかは分からないけど。
「さあ行こうか、美味しい食事と、後輩の組み分けが待っているよ」
「ありがとうございます、先生」

「……ホグワーツに、吸魂鬼が……」
聞くところによると、吸魂鬼は学校の入口という入口をかためるらしい。故に、許可なしで学校を離れることは出来ない。何をしても無駄だから、吸魂鬼たちに、彼らが危害を加える口実を与えないように、とのことだった。
「楽しい話に移ろうかの」
校長先生が話を続けた。
「今学期から、信任の先生を2人、お迎えすることになった。
まず、ルーピン先生。空席になっておる『闇の魔術に対する防衛術』の担当をお引き受けくださった」
ドラコがまた、興味なさげな目で先生をじろりと見る。拍手が疎かになっていますよドラコ。
スネイプ先生もルーピン先生を睨んでいる。そう言えば防衛術の先生をやりたいというのを聞いたことがある。
あとは、魔法生物飼育学の先生が、ケトルバーン先生からハグリッドになった。グリフィンドールのテーブルで、ハリーたちが喜んでいた。
「だからルーピン先生は対処法を知っていたのね……」
「A？」
「いいえ、こっちの話。あ、ダフネ、そこのパイを取ってもらえる？」
「ああ、これね。はい、どうぞ」
「ありがとう」
少しだけ、恐怖を打ち消してくれたような気がしたのは、私だけじゃないだろう。