第三十六話【制圧事案】 ページ16
【ポートマフィア】
「準備はいいかい?」
「はい。乙班、いつでも行けます」
インカム越しに太宰の声が聞こえ、私は呼びかけに応えた。
「では、行くよ。三、二、一 開始!」
その合図の後、私は廃墟ビルに突入した。今回ある麻薬組織がこのビルの地下を拠点にしているとの情報が入った為、私達はその制圧と麻薬の押収に動いた。
一階の見張りは四人。突入したのと同時に、入り口に一番近い見張りに向かってゴム弾を撃った。ゴム弾は真っ直ぐ軌道に乗ると見張りの手を弾いた。銃から手が離れた瞬間を狙って、距離を詰めると見張りの銃を奪い取った。そのまま流れるような動作で見張りの胸倉を掴むと投げ倒した。
他の見張りが襲撃に気づいたのか、一斉に銃を構えた。私はそれを見て、素早く物陰に隠れた。その直後、銃弾の雨が飛び交った。それにより、背を預ける柱の壁がボロボロと崩れていくのを感じた。
そして、銃弾が止んだ隙に閃光弾を投げ込んだ。閃光弾はカーンカーンと音を立てながら転がった後、辺りに眩しい光が浮かび上がった。見張りが異変に気づき目を腕で覆ったが既に遅かった。私は光が止んだタイミングを見計らった後、物陰から飛び出した。そして、一番近くにいた見張りの腕を掴むと体重を手前に引き寄せ投げ倒した。
私は後方に手で合図を送ると四人のポートマフィアの構成員が中へ入って来た。他の構成員も閃光弾で怯んでいる見張りを素早く確保し、戦闘不能にした。これで、一階は制圧した。私は周りを見渡すと地下へ降りる階段を見つけた。そして、構成員の二人と共に階段へ向かった。
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作者名:トキハル | 作成日時:2019年11月17日 14時