赤毛の少年に拾われたっ！件 (ページ6)

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先に布団へはいると、体が溶けたように力が抜ける。
やはり疲れていたらしい。
自然とまぶたが重くなり少年に「おやすみ」と言えないほどすぐに眠りについた。
そして眩しさを感じてもう朝かと目を覚ます。

「...ぅ...ん...？」

しかし、空はまだ暗い。
どうやら、街の照明に照らされただけのようだ。
少年は良くこんなところで毎日眠れるな、と思い少年を見る。

「っ...」

少年は布団などなく、床へそのまま体を預け眠っていた。
どうやら布団は私が使った1つのみ。
考えればこの家に一人以上の布団があるわけないのに、完全に思考停止をして少年の言葉に甘えていた。

「よっと...」

少年の体を抱き上げベットに下ろす。

「さてと...」

少年をベットにあげたのは良いが、自分も体を休めたいというのが本心。
すると、またもや街の照明が窓を照らしす。

「っ」

「ん...」

私が抱き上げても起きる様子のなかった少年だが、この照明には顔をしかめている。

「ふむ...」

少年をまたぎ窓側に横になる。
さすがに二人は狭いが、少年を抱き寄せれば寝れないことはない。
それに私の影で少年には明かりが当たらないという一石二鳥。
そうしてようやく眠りにつき、朝、少年に揺すり起こされるまで泥のように熟睡した。

「A昨日ボクを布団にいれてくれたんだ」

「ん、あぁ、夜めが覚めたら少年が床で寝てたから」

「気にしなくて良かったのに」

「少年、私は泊めてもらう側だから気を遣うけど、少年は家主なんだから私に気を遣わず普段通りの生活をしてほしい」

「でも...」

「あと、もう嘘はつかないで。起きたときに少年が床で寝てて罪悪感が凄かったから、私のためにもやめてほしい」

「そっか、わかったよ」

約束と言って、少年と指切りをする。
子供なのに大人のように生きてきて、大人のように振る舞う少年。
それを可哀想だと感じてしまうのは、今までの自分が恵まれていたからだ。

「あ、ねぇA」

「？」

「ボクの名前、嫌い？」

「いや、そんなことないけど...何で？」

「自己紹介してからはずっとボクのこと「少年」って呼ぶから」

「あ～...それは、ね」

あまり自分でも意識していなかったが...。
私の答えを待つようにこちらを見上げる少年の頭を撫でる。

「私は大人で君は子供、だからだよ」

「...良くわからない」

「わからなくていいよ。...ふっ」

困った顔の少年が子供らしく、それが嬉しくて少年の頭をわさわさと撫でまわした。