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第2話 ページ7

あれから街にいっていろいろ聞き回ったが成果は無し。
帰る手段も、アルバイトも見つからない。


「A、あなたが働かなくてボクは本当に構わないよ」

「...」

「ん〜、あ、少しここにいて」


少年は何かを見つけたらしく、市場の人混みへ紛れていった。


「はぁ...夢だと思うんだけどなぁ...」


これは、夢、そうでなければ私はいきなり拉致され荒野に捨てられたということになる。
夢ならばもっと都合良く進んでほしいし、何なら今すぐ覚めてほしい。


「いや、でも、今すぐは駄目か...」


少年に待つように言われてしまったからな。


「ん、あれは写真?」


市場の壁に大量の顔写真が張られている。
近づいて見てみると、顔の違う男の写真がなん十枚と連なっていた。
何かかいてあるようだが、私に読める文字ではない。


「A、あそこにいて言ったのに」


少年が何かを抱えて戻ってきた。


「ごめんごめん。それで、どうした?」

「これ」

「リンゴ?」


渡されたのは昨夜のものとは違うリンゴだ。
赤く熟れた艶のあるリンゴ。


「言ったでしょ?昨日はたまたまだって」

「うん、ありがとう......でもそれとこれとは別だから、やっぱり働き口を探す」

「頑固な人だ」


呆れたように肩をすくめる少年。
私はその整った鼻を摘まみ顔を近づける。


「子供は甘やかされるもの」

「っ!?」

「だから少年を甘やかすために働かないと」


その日は一日中街を歩いたが結局なにも見つからずじまい。
しかも、少年に着替えなど日用品を買ってもらう始末。
家に帰ると悔しさのあまり膝をつく。


「全っ然大人の格好がつかないっ...」

「落ち着いているようであなたって意外と面白いね」


頬杖をつきながらこちらを見る少年は一段と大人びている。


「そうだ、ボク明日は用事があってAについててあげれないんだ。だから」

「あぁ、一人で街に」

「行かないで、あなたはここで大人しく待っていてくれる?」

「わ、わかった...」


少年の言う通り、今自分は一人で行動できるほどこの場所について知らない。


「やだぁ、そんな顔しないでよ」

「ん、ごめん。次はもっと頑張るわ」

「...そうだ、食べる?落ち着くよ」


少年から渡されたのはピンク色の包み紙。


「これ、ガム?」


口にいれてガムを噛むと甘い味が広がる。


「美味しい...」

「よかった、バンジーガムって言うんだよ」

「え?」


バンジーガムって...。
まさか、な。

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ユゥ - 更新おねがいします!!!!!!!!!!! (9月7日 23時) (レス) @page27 id: 5d8fa42b34 (このIDを非表示/違反報告)
かすみ(プロフ) - 好きです!!!!!!!!!!!!!!!!!! (8月10日 1時) (レス) @page27 id: e53abe021c (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 最高です!!!!!!!! (7月31日 8時) (レス) id: 160db3b238 (このIDを非表示/違反報告)
- ひ、ひぇえええめっちゃくちゃおもれええ (2022年9月26日 9時) (レス) @page27 id: ab3a56c6fc (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - リィさん» ありがとうございます (2022年8月14日 0時) (レス) id: 8eeddf36f5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:00 | 作成日時:2019年6月11日 21時

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