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少年が親について話したのはこれが初めてだった。
あまり過去に興味がないのか、子供らしい強がりかはわからない。
彼は黙々とトランプを高く積み上げては崩すことを夢中で繰り返す。


(やっぱり、ちょっとにてるよな...)


昔読んでいた漫画のキャラクター。
彼と少年がぼんやりと頭の中で重なる。
もしあのキャラクターに過去があったとしたらこんな感じかもしれない。


「何A、ボクのことじっと見て」

「いや、少年はホントに綺麗な顔してるなって」

「貴方、ボクの顔好きだよね」

「綺麗なものはみんな好きだろ」


少年の頭をわしゃわしゃと撫で回す。
いくら似ているとはいえ、少年はまさかあんな風には育たないだろうさ。
なんて、その頃には私は元のところへ帰れてるといいんだけど。


「少年は明日も出掛けるのか?」

「...うん、でも少しゆっくりするよ」

「そっか、うん、それがいい」


私に気遣っているのだろうが、こればかりはそうしてほしい。
もはや習慣となりつつある添い寝にも抵抗はなくなった。


「ねぇAの親はどんな人だった?」


灯りを消し、布団に入ってっからしばらくして唐突に口火を切る。
少年がこう言うことを聞くのは珍しい。
私自身のことは聞かれたことがあっても、私を通した「何か」は聞かれたことがない。


「そうだな...」


母さんは少し心配性な人だった。
出掛けるときはあれは持ったかこれは持ったか聞かれてうんざりもしたが、自分のことを案じてくれていたからだ。
父さんは子どもっぽい。
失敗してもなに食わぬ顔で流そうとして、それが母さんにバレるとしゅんとして見ていて楽しい人だった。


「良い家族だったんだね」

「普通の...いや、確かに、良い家族だ」


普通の家族。
自分と両親が生活に困らずそこそこ楽しく暮らす家族。
そうでない場合もあるのだから、きっと良い家族なんだろう。


「その人達の元へ帰りたい?」


少年が私を見上げる。
その表情には何の感情も映らない。


「いつかはな」

「そう...」


視線を戻し少年は目蓋を閉じる。


「でも、どーせ、まだしばらくは帰れない」


「それに帰らない」と少年の頭を撫でた。
やらないといけないことがある。


「少年にお礼もせずには帰れない」

「ふっ、だから気にしなくて良いのに」

「大人は気にするんだよ」


やりたいことがある。


「そうだ、明日少年に見せたいものがあるんだ」

「へ〜なら明日は早めに帰ってこないとね」

「おう、待ってるから」

。→←第3話



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ユゥ - 更新おねがいします!!!!!!!!!!! (9月7日 23時) (レス) @page27 id: 5d8fa42b34 (このIDを非表示/違反報告)
かすみ(プロフ) - 好きです!!!!!!!!!!!!!!!!!! (8月10日 1時) (レス) @page27 id: e53abe021c (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 最高です!!!!!!!! (7月31日 8時) (レス) id: 160db3b238 (このIDを非表示/違反報告)
- ひ、ひぇえええめっちゃくちゃおもれええ (2022年9月26日 9時) (レス) @page27 id: ab3a56c6fc (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - リィさん» ありがとうございます (2022年8月14日 0時) (レス) id: 8eeddf36f5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:00 | 作成日時:2019年6月11日 21時

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