Ep30「4.5Moment」 ページ31
「やぁ、久しぶり。あれ以来だね」
気づいたときには4次試験は終わっていた。
ヒソカさんはとは合流後、また別行動となった為久しぶりの再会だ。
「良い子にしていたかい？」
「あ〜...ギタラクルさんに迷惑をかけないと言う意味では悪い子でしたね...」
「おやおや、ふふっ、それはいけない子だね」
と言いつついつものように良い子良い子と頭を撫でる。
この人の悪い子の概念とは如何に...。
『受験者の皆さんにお知らせします。これより、会長が面談を行います。───────』
「僕が最初か。それじゃあ行ってくるよ。」
ヒソカさんを見送り、熱くなる顔を手で押さえた。
もちろん羞恥心もあるが、別の熱がじわじわと私の中に広がっていく。
その熱がなにかわからないほど鈍くはない。
「(でもそれはダメだ...)」
”ここ”で誰かを好きになってはいけない。
彼の側は居心地がよくて、ただでさえ離れ難いのに...。
これ以上想えば、戻れる時が辛くなる。
「お待たせ。...どうかした？」
「大丈夫です。あ、次私ですね、いってきます」
部屋に入ると、のほほんとした顔でおじいちゃんこと会長に迎えられる。
始まった面談で聞かれたことは3つ。
何故ハンターになりたいか
───恩人に恩を返す為に資格が必要だからです。
私以外の9人の中で一番注目しているのは
───99番と405番です。まだ幼いのにすごいです。
9人の中で今一番戦いたくないのは
───44番です。恩を返したいその人ですし。
この質問が5次試験に反映されるらしいが...。
不安に思いながら、部屋から出ると廊下にヒソカさんが待っていた。
「行こうか？」
あの時と変わらない”優しさ”で私に手を伸ばす。
繋がれた手からは温もりが伝わってきた。
いつかは離さなければいけない手なのだから、いつでも離せるように、そう自分に言い聞かせる。
「ところでヒソカさん、ハンターってなんですか？」
「(今？)」
「ずっとなんの試験か気になってたんですけど」
「(今聞く？)」
「すっかり聞き忘れてました」
「(だいぶ聞き忘れてたんだね...なんて言おうかなぁ)」
少し言葉を選んでいるのか、口許に触れる。
その仕草一つが艶っぽい。
「そうだねぇ...何でも屋だよ。だから色んな事が出来ないといけないんだ(嘘ではないよね)」
「なるほど〜」
「(A、鈍くはないのに)...まぁ君のそういうところ、好きだよ？(ちょっと心配になるけど)」
生温い視線を送られたのは何故だろう？
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作者名：００ | 作成日時：2019年5月25日 12時
