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ー土方十四郎視点ー
近藤「トシ…今なんつった?」
土方「だから、子供が出来たから真選組を辞めるって言ってんだよ。」
近藤「そんな…。子供が出来たからって真選組を辞める理由がねぇだろ!?」
土方「近藤さん、俺はこうしてあんた達と大暴れできて…江戸で侍になれて…楽しかったよ。だが…年貢の納め時だ。こんな死と隣り合わせの職業で父親になっても家族を守れねぇ。分かってくれよ。」
近藤「そうか…。そうだな…。Aさんも了承したのか?」
土方「いいや、まだ言っちゃいねぇがAも仕事は続けてぇみたいだし俺の貯金もあるからしばらくは何とかなるだろ。」
沖田「何とかなってもAアナがそんなの許すとは思いやせんぜィ。」
土方「総悟お前聞いてたのか!?」
沖田「近藤さんのバカでけぇ声が聞こえてきたんでね。なぁ土方さん、あんたの嫁さんも中々のバラガキだって知ってるじゃねぇですか。ま、俺は副長の座をゲットしたわけだからこれ以上は言いやせんが。」
土方「総悟…。」
言われなくても分かってたからAには黙ってた。
だが…。
沖田「これ、届いてやしたぜ。宛名はバラガキにはってやしたがあんたしかいねぇでしょ。確かに渡したんで。」
手紙を俺に押し付けて総悟は部屋を出ていった。
近藤「トシ、お前は真選組の頭脳だ。常に冷静で常識人でいてくれよ。な?」
土方「あぁ…。もう少し考えるよ。」
俺は副長室に戻り手紙を開けた。
ー拝啓 バラガキ様
突然のお手紙失礼致します。
先日の非礼のお詫びをと思い手紙を送らせて頂いた所存です。
あれだけの事をしていて見廻り組に報告をしなかった事、感謝しています。
名門飯田家に生まれ、侍になるために精進し見廻り組に入りました。
エリートの見廻り組に入って局長になる。そう信じていたのに現実は甘くなく打ちのめされていた時貴方の婚約者に出会いました。
私の焦りを彼女は向上心と言ってくれた。
彼女には感謝してもしきれません。
見廻り組には休職願いを出しました。
しばらく江戸を離れ、心も身体も精進しようと思います。
ですが、恩人であるバラガキ様と婚約者様の身に何かあったらすぐに駆けつけます。
では、しばらく…
飯田八十郎ー
土方「ったく、こんな手紙出されたら副長続けなきゃならねぇじゃねぇか。」
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作者名:るる | 作成日時:2022年1月5日 1時