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A「土方さーん…いない?」
お見舞いに来たが病室に土方さんはいなかった。
タバコを吸いに屋上にでも行ったんだろうと思い屋上へと上がった。
栗子「やっぱり…マヨラ様だったのでございまするね。」
土方「いや、それは…。」
栗子「どうして嘘なんて!!!私、本気でお慕いしてたのでございまするよ!?」
一緒に居たのは警視庁長官の娘で今は飯田さんの婚約者のはずの松平栗子さん。
A「土方さん。それに確か…栗子さん。」
栗子「Aさん…。」
土方「A、ちょうど良かった、お前も聞いてくれ。俺は…栗子さん、あんたの気持ちには答えられなかった。だが振って傷つけたらあんたの親父にぶちのめされてたかもしれない。だから傷つけたくなかったんだ。」
栗子「そんな…。私は父上様に報告なんてしないでございまする。それに…。そうじゃなくても傷つきました。」
土方「だよな、だからハッキリ言わせてもらう。俺が大事にしたいのはAだ。お前は知ってか知らずかAの元婚約者と今は付き合ってるんだ。そいつに幸せにしてもらえ。」
栗子「マヨラ様は私の父上様の権力が欲しくないのでございまするか?」
土方「興味ねぇな。それにとっつぁんはあんたの事は大事にしてもあんたに近づく男には容赦ねぇ。それに、とっつぁんはあんたの男だからって出世させるような人間じゃねぇよ。ちゃんと人を見てる。そんな父親だ。」
栗子「マヨラ様…。分かりました。Aさん、八十郎様の件申し訳ございません。」
深々と頭を下げる栗子さん。
栗子「恋人がいるのは察してました。それでも彼の優しさに惹かれたのでございまする。付き合ってから貴方が恋人で婚約もしていたということを知りました。知らないフリをしていて本当に…。」
A「いいんです。頭を上げてください。栗子さん、貴方は貴方で幸せになってください。」
栗子「あ、ありがとうございまする…。」
涙を流す栗子さんの背中をさすった。
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作者名:るる | 作成日時:2022年1月5日 1時