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何とか土方さんを乗せることに成功した。
土方「くっそ…。また間違えた。」
タバコを吸いながら台本を暗記している様子の土方さん。
A「手伝いましょうか?相手役がいる方が覚えやすいですよ?」
土方「何でおめぇがまだ屯所にいるんだ?とっとと失せろ。」
A「撮影は終わったけど土方さんの練習付き合うように言われているので。演技の経験ないんでしょ?」
土方「そんな俺を担ぎ上げたのお前だろうが…。」
A「バレました?だって土方さんが良かったんだもん。」
土方「…バカか。」
A「土方さん、この役は土方さんにそっくりな役なんですから無理してセリフを覚えようとしないでください。何とかなりますよ。」
土方「んなのわかんねぇだろ…。」
A「相手役は天才女優の私ですよ?いくらでもフォロー出来ます。」
土方「俺いつもフォローする側なんだけどな。」
A「たまにはフォローされてみてください。」
土方「なぁ…。この映画ちょいちょいキスシーンあるんだけど本当にするのか?」
A「何度もしてるんだから今さらじゃないですか!」
土方「バカ!でけぇ声出すな!」
私の口を押さえつける土方さん。
A「んん!苦ひい!!!」
土方「あ、わりっ…!!!」
絡み合う視線。
少し動けば唇が触れそうな距離。
A「副長、私はいつだって貴方の物です。」
土方「んな事言ったら本当にキスすんぞ。」
私は静に目を閉じた。
土方「お前は俺の物だ。」
激しく私を求めるキスをする土方さん。
A「んんっ…はぁ…。」
本当に土方さんの物になれればいいのに。
私を見て…。
土方「おい…お前…泣いてんのか?」
A「…え?」
気付けば涙を流していた。
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作者名:るる | 作成日時:2021年12月3日 21時