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荒北靖友視点


今朝のミーティングでインハイメンバーに選ばれた。


Aに早く伝えたかったが会って直接言いたかった。


メールを送ろうと文章を考えていると俺の教室まで息を切らせて走ってきたのはAだった。


そして始業式もサボらされ中庭に連れてこられた。


丁度1年前のこんくらいの時間。


Aの間隣を通って怒られた。


眉1つ動かさないAを見て福ちゃんと重なった。


弱い部分を見て俺が守ろうと思った。



荒北「今日で1年かぁ。だいぶ待たせたなぁ。」


A「待ったつもりはありませんけどね。」


可愛げのないセリフを言うがさっきからずっと頬が緩んでる。


荒北「おめぇなぁ。」


緩んだ頬をつねる。


A「な、何するんですか。」


荒北「インハイ。俺の事応援してくれねーか。俺の彼女として。」


A「!!!言われなくてもそのつもりです。」


泣きそうな顔して強がってるA。


可愛い奴。


A「お互いまだ伝えてないことがあるんじゃないですか?」


Aの言う通り。


お互い分かっていたけど伝えていないことがあった。


照れるから顔を見られないように後ろから抱きついていたのにくるっと俺の方に向きを変えてくる。


澄んだ瞳に吸い込まれそうだ。


荒北「あー、ん〜。えっと…。あれだぁ…。」


いざ言葉に出そうとすると出てこない。


頭をがしがしとかいて視線をそらす。


A「荒北さん…。」


不意に呼ばれてAの方を見るとネクタイを引っ張られる。


前にもこんなことがあった。



ーチュッー


荒北「今日は大胆だな。Aちゃん。」


A「まぁ、浮かれているので。だから黙って聞いてて下さい。」



俺の首に手を回し背伸びをしているから小さな顔が目の前にある。



A「…。好きです。荒北さん。貴方が大好きです。」


荒北「!!!」


A「荒っぽいけど人の事考えてるところとか意外とお節介なところとか、仲間思いなところとか、私を好きでいてくれるところとか…。だから、貴方が3年間走り続けた目的のインターハイが終わったらでいいので荒北さんの口から聞かせてください。今日は彼女になれた。それで十分です。」


荒北「…。分かった。インハイが終わったら。ちゃんと聞いてろよ?」


A「はい。」


Aはもう一度俺に唇を重ね合わせた。


大胆なAも悪くないじゃなぁい。

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作者名:るる | 作成日時:2021年9月27日 23時

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