兄弟 ページ19
開店作業を進めていると、店のドアの開く音がして、
「…すみませんっ」
焦ったような、きっと彼の弟さん、が入ってきた
「お待ちしておりました…あの、あちらに…」
「…まだ寝てるんですか;?」
「お迎えが来るまではと思って…」
「本当にすみません」
「私の方がすみません…朝まで付き合わせてしまって…起こしてきますね」
厨房に戻って、彼の肩を叩く
「マル起きて…?」
「…ん」
「弟さんが迎えに来てくれたよ」
「…?………!!!!!!」
「わぁ!」
突然顔を上げたかと思うと、ジャケットを掴んであたりを見回して、
ガラス越し、ショーケースの方に立ったキュヒョンさんを見つけると
驚いたように椅子から立ち上がった彼
「なん、で!!?…あ!あ!Aごめん、俺寝てた…ま、間に合った?」
「…(笑)…うん^^ありがとう」
安心した表情を見せると、弟さんを待たせてることをまた思い出したようで「やばい」と呟く
厨房を慌てて飛びたした彼
「これください…あ、でもまだ開店前でしたね…」
「あ、大丈夫です!少々お待ちくださいね」
「…ごめん、キュヒョナ…」
「朝からスケジュール入ってるって昨日聞きましたよね?」
「間に合う;?」
「チョコレートを選ぶ余裕はありますよ」
「何でおまえも買うのさ;」
「ヒョン、いつも一人で食べてて全然くれないじゃないですか」
「だって…俺のチョコだもん」
「一粒くらいくれたっていいでしょう」
「(笑)…」
「?」
「?」
「仲の良いご兄弟だなぁと思って^^これは朝までお兄様を付き合わせたお詫びです、お気に召したものがあれば是非またいらしてください」
少し驚いた顔をしたあと、キュヒョンさんは嬉しそうにチョコレートを受け取ってくれた
マルは最後まで代金を払うと言ったけど、遠慮した
「あ、待ってマル…これもよかったら弟さんと」
「え…」
「多めに作ったの…お得意様に頼まれてたものだったから間に合わなかったら大変だった…本当にありがとう^^」
「いや、全然…わぁ、美味しそう」
「マルと作ったものだから、食べてほしくて」
「…嬉しい^^」
「お仕事頑張ってください」
「Aも!じゃあ、また」
「うん、また」
近くに停まった車に乗り込むまで、
彼は嬉しそうに何度も振り返って手を振ってくれた
ふと、自分が自然と「また」と挨拶を交わしてたことに気付いた
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ルル(プロフ) - はなさん» 見ていただけて嬉しいです!こちらこそありがとうございます!! (2022年4月13日 2時) (レス) id: 9ec4afd1ba (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 期待してのぞいたら更新されていて(;A;)嬉しいです!ありがとうございます! (2022年4月13日 0時) (レス) @page34 id: 3f48990b69 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - saya_*さん» あんにょん、お久しぶりです^^おかげさまでなんとか続けています!こちらもちょこちょこと書いていきますのでよろしくお願いします^^! (2019年11月10日 23時) (レス) id: 5e07b07294 (このIDを非表示/違反報告)
saya_*(プロフ) - ルルさんあんにょん!お久しぶりです^^お元気ですか?新作ありがとうございます(*^^*)やっぱりドンヘだった!(ハート)ルルさんの優しい柔らかい雰囲気のお話大好きです♪続きもたのしみにしてますね^^ (2019年11月9日 6時) (レス) id: 2aa5de40a8 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - manmaruuさん» こんにちは!嬉しいコメントをありがとうございます!!こちらもそろそろ更新しますね^^これからもよろしくお願いしますー! (2019年11月5日 10時) (レス) id: 84ad280061 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルル | 作成日時:2019年10月26日 14時