彼と彼女と幻の民の魔法契約 (ページ30)

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疑惑と疑念のクラスメイト13 ページ30

マスグラ「復讐─……ですか」

サファ「ユークレースさんの持っている黙示録と、幻の民であるルナーゼさんを帝国が手に入れたらどうなるかわからない…。だからその前に彼女たちを殺してあいつらの手に渡らないようにすれば……」

サファがそこまで言うとマスグラが笑い出した。

マスグラ「面白いですね！」

呆気に取られているサファ。

マスグラ「復讐なんてくだらないことを言う…。
実に『人間』らしい。
不死であればそのまま冥界送りに………」

ベシーーンｯ！

マスグラ「！？」

Aとフィオのビンタがマスグラの顔にクリティカルヒットする。

フィオ「マスグラさん！」

A「やりすぎだよ！」

２人は怒っている。

マスグラ「は、はいすみません……」

フィオとAは草むらの方に向き直る。

フィオ「ターフェ！出てきてください！
２人を殺すように仕向けたのは君ですね！」

すると、ザッと音を立てて草むらから黒の民姿のターフェがでてきた。

ターフェ「危険だと判断すれば殺すべきだろう。というか、殺す前にAに止められていただろうがな」

A「私たちは話し合いをするために協力した訳であって……」

ターフェ「わかったわかった、後で聞く」

戻れマスグラ、とターフェが声をかけると、はーい、といってマスグラが帽子姿に戻った。

ターフェ「復讐か…。外ハネの言い分はわかったがお前にはデメリットでしかないんじゃないのか？
レマンスカラティーヌ皇帝国第１２皇子、
マリン・パライバトル」

フィオ「えぇ！？」

A「お、皇子様……！？」

マリン「……入学申請を見たか…。君が学園長の切り札だったとはね……しかも黒の民とは……」

ターフェ「…少し勘違いをしているようだが、まぁいい。青茄子みたいに偽名を使っていない分身元を辿るのは簡単だったぞ。
使わなかったのは最低限の身分の保証のため……ということか」

そこまで言うと、ターフェはマリンをビシッと指差す。

ターフェ「で？１２番目という力のないご身分なら、のし上がるために彼女らを捕まえた方がメリットがあるんじゃないか？」

サファ「マリン！黒の民は敵！答えなくていい！」

マリン「…サファ、彼は違う。聞き方でわかる」

ターフェ「……」

マリン「俺は祖国の…レマン帝国のやり方が気に入らないんだ。レマン帝国では人体実験が行われている……人工的な黒の民の製造……そして不死の呪いの研究……」

～むぅ、文字数～