出窓からこんにちは【白布賢二郎】 (ページ3)

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3.栗毛のページ3

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父「A! 危ないからやめなさい」

『ねえ、もう帰ろ』

父「え、もう帰るのか?」

『うん』

急だけど、家に帰ることにした私たち

下に降りると、さっきの栗毛の男の子(かなり美形)

目が合って、お互いパッとそらして私たちはモデルハウスを出た

この出会いの日は7月8日日曜日

中学3年の夏

ここから8か月後に家が建ち

9カ月後に、二人はまた出会う。

－8か月後－

『とーちゃん! 荷物こんなとこ置くなバカ!』ｶﾞﾝｯ

父「蹴るんじゃないバカ!」

「おいこれ2階持ってけばいい?」

父「それは3階だ!」

「お前、こんな立派な家建てといて引っ越し業者呼ぶ
　金はケチんなよな! 人のことこき使いやがって…」

父「たった二人の兄弟じゃないか! 仲良くしよう!」

「礼はたっぷり頂くからな」

3月15日

今日は引っ越し

父ちゃんが引っ越し業者を呼ぶ金をケチったせいで

叔父さんの軽トラで何往復もして荷物を運び

何度も叔父さんと父ちゃんは職質をされ

さらに、家具屋の業者を呼ぶこともすっかり忘れていたせいで

燃えてしまった家具を買い替え

新品のテーブルやイス、ベッドの組み立てをやらされている私

荷ほどきが落ち着いたら

父ちゃんにここから徒歩で30分はかかるコンビにまで
アイス買わせにいってやる

中学の卒業式も数日前に終わったし

もちろん高校受験も

4月には白鳥沢学園への入学が決まっている

制服も届いたし

必要な物も買い揃えた

火事で何もかも全部燃えて絶望したけど

家も立て直して、高校入学にまでたどり着いた

ここまで長かった…

でも、今日から再スタート…

父「A! 手が止まってるぞ働け!」

『うっさい! せめてテーブルの組み立て手伝え!!』

　