綱海との出会い２ ページ27
「う〜ん、う〜ん……！わっ！！」
砂浜に埋まった少年を引っ張り出した。
「ふぅ！助かったぜ！！ありがとな！」
全身砂まみれになった少年は笑顔でお礼を言った。
でも、砂だらけの体でそう言われて私は笑ってしまった。
「ぷっ……あははは！」
「え？何がおかしいんだよ」
「だって……全身砂お化けみたいで……ぎゃはは〜！」
「そ、そんな悪魔みたいな笑い方しなくていいだろ！」
笑いすぎて腹を抱えている私を見て、少年は海にもう一度行ってバシャバシャと体を洗って戻ってきた。
日焼けをした褐色のいい肌、ピンクのツンツンの髪の毛をなびかせ、少し恥ずかしそうに私の前に立った。
「ほら、これでいいだろ」
「うん、は〜笑った笑った……」
「……そういや、こんなところで何してたんだ？」
「……海を、ただ見ていただけ。キラキラしていたなって」
間違ったことは言っていない。私は少年から少し目をそらして答える。
すると少年はにかっと嬉しそうに笑った。
「お前、面白いやつだな！俺は綱海条介！小6！お前は？」
「わ、私はかげ……じゃなかった。
竜城A。小5。よろしく綱海」
笑顔を忘れて名前を言うと綱海はきょとんとした後「おう！」と笑った。
父さん以外とちゃんと喋ったことないし、上手く演技が出来ない……。
「ここらへんじゃ見かけねえな。どこに住んでんだ？」
「えっと……さ、最近引っ越してきて……あそこの家」
「おお、そうなのか！海が近いの羨ましいぜ……そうだ！お前もサーフィンやらねえか！？」
「うぇ！？」
ずいっと顔を近づけて来る綱海に、私はタジタジになってしまう。
「俺が教えてやっからよ。楽しいぜ！」
サーフィン……か。サッカー以外のスポーツをまともにやったことないし、そもそも動けるか分からない。
それに、まだキラキラはちょっと怖い。
「誘ってくれてありがとう。でも見ている方が楽しいかな」
「そっか。まぁやりたくなったら言ってくれ！
暇だったらここの浜辺にこいよ。俺のかっこいい乗り、見てほしいしさ！」
「分かった。多分、毎日ここにいる……と思う」
案外スッと引いてくれた……。と安心した。
にかっと笑って綱海はまた海に戻ってしまった。
「……面白いやつだな〜」
笑顔がこっちまで引っ張られて笑顔になる気がする。
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机田(トラさん)(プロフ) - bizyuさん» 番外編も見ていただきありがとうございます！本編とはまったく関係ないわけではありませんが、奮闘している主人公をぜひ追っていただければと思います！(話は反れますがbizyuさんが四字熟語を好きだと作品内で仰っていたので、共通点があってニコニコしています^^) (1月1日 20時) (
レス) id: 8b84652de6 (このIDを非表示/違反報告)
bizyu(プロフ) - 番外編ありがとうございます！本編とはまた少し違う視点で見れるのでとても新鮮な気持ちで読ませていただいています！これからも頑張って下さい(о´∀`о) (12月31日 21時) (レス) id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
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