二十九話 ページ48
「言葉そのままの意味だよ」
「え！？それじゃあ、Aさん一体今何歳なんだ！？」
「さぁ？自分の年齢は特に覚えてないよ。年齢なんて覚えていても関係ない時代に生まれたから」
少年を振り返ると、彼の背後に青い空が長く広がった。
やはり、山はいいものだ。
登る体力こそないが、仙人の秘境とだけあって自分の肌にここの空気が合うことをひしひしと感じる。耳を塞いでも聞こえてくる声はここにない。煩わしく迫ってくる人たちもいない。それに、ここから璃月の風景を見下ろすことができる。
だが、ここからは、嫌なことばかり思い出してしまう。
「…身勝手に、いなくなっただけだよ」
その一言を少年に伝えると、少し申し訳なさそうな顔をして眉をまげてしまった。
そんな顔をさせるつもりはなかったんだがな。そう思いながら山道を登る。
「仙人様、お助けください！お願いします…俺ら兄弟に慈悲を！仙人様、どうか…どうか…」
琥牢山の山頂まで上り、綿のように疲れていたが、どうやら休む暇というのはないようだ。
理水の秘境の入り口で仕切りに仙人に祈りを捧げている男性が一人。
「どうしたの？」
空の少年は側から見れば様子のおかしい男性に話しかけに行く。
「お、お前たちは…誰だ？どこから…ハッ、この絶雲の間を安全に行き来できるってことはあなた達はきっと仙人の使いなのだな！俺ら兄弟を助けるために仙人様が遣わせた使者なのだろう！」
よほどのパニック状態に陥っているのか、藁にもすがる思いなのか、よくわからない自分の考察を述べながら男性は続ける。まぁ仙人であると言うのは間違いでもないのだけれど、こう都合よく扱われるとやはり不愉快にはなるものなのだな。
兄弟、ということはおそらくもう一人いるはず。その姿が見えないとなると…。
「…はぁ、何方が悪いのかは截然だね。空、こんな人に構う必要はないよ」
「え、でも…」
「大方その兄弟とやらが琥珀に囚われたんだろう。ここの琥珀は理水が侵入者を閉じ込めるために植えたものだ。この山に悪事を働こうとしたのだから、当然の報いだよ」
助けてやらないほどの慈悲がないわけではないが、ここの問題は理水に話を通してからじゃないとダメだ。どの仙人も基本そうだが、ほぼ全員が頭が硬い。我ら岩神が如く、硬いのだ。
それに、一般人が巻き込まれたとなれば助ける意欲も湧くが、盗人となれば話は別だ。
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りー - 理由把握いたしました。先日は失礼なこと言ってしまって申し訳ありません。五月病など無理なさらないでくださいね。 (2021年6月3日 17時) (
レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
りる - とりまろ。様はもう小説は書かれないんですか…？ (2021年5月31日 7時) (レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
り - すみません絵じゃなくて小説です…誤爆しました… (2021年5月26日 18時) (レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
り - イッキ見しました…ひゃえ…大好きです主様の絵好きです更新まってます！！ (2021年5月22日 0時) (レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
星 - 小説とても面白くて大好きです！更新頑張って下さい！ (2021年4月25日 14時) (レス) id: 43b4052d04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とりまろ。 x他1人 | 作成日時：2021年3月31日 20時
