十二話 ページ28
──────地獄だ。
何度も言うが元より私の体は微弱で産まれている。そして、いくら体を鍛えようが筋肉は全く付かず、私の力は永遠に微弱のままだ。
この目の代価として、私の体はそういう作りになってしまっているのだ。
衰えもしないが鍛えられもしない体。老いた赤子のような気持ち。
そんな貧弱な体で登山なんてしんどいに決まってる。少し先に見えていた千岩軍はもう見えない。しかしここで止まるわけにはいかない。
「ひいぃぃっ!!」
意地になりながらもようやく頂上に着いた所で、向かい側から千岩軍が走ってくる。思わず身構えたが彼らは私を素通りし、山道を降りていった。
「あれ?Aさん、どうしたんだ?登らないって言ってたのに」
「せ…千岩軍が、登るのを…はぁ…見た、から…ぜぇ……し、心配に…なって……」
「すごい息切れだ…」
呼吸が整わないまま喋ったから言葉がとぎれとぎれだ。何がなんだかよく分からないがどうやら彼らだけでも対処ができたようだった。なんだよ、私が来なくても何とかなったじゃないか。いや、無事ならそれでいいんだ。
「A、だと…?」
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りー - 理由把握いたしました。先日は失礼なこと言ってしまって申し訳ありません。五月病など無理なさらないでくださいね。 (2021年6月3日 17時) (レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
りる - とりまろ。様はもう小説は書かれないんですか…? (2021年5月31日 7時) (レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
り - すみません絵じゃなくて小説です…誤爆しました… (2021年5月26日 18時) (レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
り - イッキ見しました…ひゃえ…大好きです主様の絵好きです更新まってます!! (2021年5月22日 0時) (レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
星 - 小説とても面白くて大好きです!更新頑張って下さい! (2021年4月25日 14時) (レス) id: 43b4052d04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とりまろ。 x他1人 | 作成日時:2021年3月31日 20時