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雨宿り*そらる ページ49

雨の日だった




朝から空の色はグレーで



私の心もグレーだった






午後になればそのグレーの空からは大粒の雨が降ってきた




やけに五月蝿いと思った





静かな部屋でひとりいると外の音がよく聞こえる







そんな中



家のインターフォンがなった





こんな雨の日に誰が来るんだと

宅急便かなと思いながら玄関のドアを開ける





『…え』




ドアの前にはびしょ濡れの男性





黒い髪からは水が滴り落ちてきて


服も濡れてて



それよりも本人がとても寒そうにしている






「すみません
今日だけでいいです
この家に泊まらせてもらってもいいですか」






『えっ』


言っていることを理解するのに時間がかかった




だって、急に家に訪れて泊まらせてくださいって…






ガタッ




急にドアが閉まったと思うと、男性が倒れて私にもたれかかっていた




『きゃっ』



急なことで驚く





男性の息は荒く
おでこに触れてみると熱い



熱があるかも





私は寝室まで運んで寝かせた




熱を測ると予想通り熱があり





冷えピタをおでこに貼ってあげた





『大丈夫ですか』


声をかけても起きなくて





朝までその人は寝たまんまだった







看病している間に自分も寝ていたみたいで



「おはよ」



その声で起きた


安定感のある低い声に私は聴き惚れてしまった





『えっあっすみません』



「いや、ごめん」

『あ、昨日倒れちゃって…勝手に寝かせちゃってすみません』



「いやいや謝ることじゃないよ

ありがとう、看病してくれて」




そう言って微笑んだ


その笑みには色気が溢れていて




「そらるっていいます」


『そらるさん…


私はAです』



ぎこちない自己紹介をした









そらる「やった」


『負けた〜』


家にあったゲームをしていつの間にか仲良くなってしまった




『ねえ、もう1回!!』


そらる「また負けるでしょ」




なんて他愛のないことをして時間がすぎた




そらる「ごめん、帰らなきゃ」



そう言われて気づく


そっか、そらるさんにも家があるのに忘れてた




そらる「楽しかった」


『そうですね』



そらる「じゃあね」



もう会えなくなってしまうのか




目をごしごし擦って涙をふく


そらる「次来る時は、いま俺が住んでる家を解約してから来るね」





『…?!え、それって…』




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闇月黒夜(3DSvar.) - 続編待ってます((*´∀`*)) (2016年8月11日 20時) (レス) id: 2b4684f0c1 (このIDを非表示/違反報告)
れれ(プロフ) - かみゃさ@ゆかりさん» 待っていてください! (2016年8月10日 20時) (レス) id: 615ae47c22 (このIDを非表示/違反報告)
かみゃさ@ゆかり(プロフ) - 続編、作って下さるまで信じていつまでも待ってます! (2016年8月10日 17時) (レス) id: 9acb36f18c (このIDを非表示/違反報告)
かみゃさ@ゆかり(プロフ) - れれさん» いえいえ!誤字はどの作者さまにもありますから、! (2016年8月9日 9時) (レス) id: 9acb36f18c (このIDを非表示/違反報告)
れれ(プロフ) - かみゃさ@ゆかりさん» ありがとうございますっ!誤字が多くて困りますね。気をつけます (2016年8月8日 23時) (レス) id: 615ae47c22 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れれ | 作成日時:2015年12月24日 15時

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