【歌い手】 恋い焦がれる 【短編集】

エイプリルフール＊天月 ページ23

突然の別れ。



天月「もう、一緒にいたくない
　 Aのこと、ずっと嫌いだった
　 …さようなら」

天月は最後に何とも言えないような複雑な笑みを残して、どこかへ消えてしまった。

もう、一緒にいたくない
Aのこと、ずっと嫌いだった
…さようなら



この言葉が頭の中で何回もリピートされる。


ああ、天月にとって私ってそんな程度の存在だったんだ。



じゃあ、今まで天月のためにがんばってきたことって何か意味があったのだろうか。

『…うっ……』


堪えていた涙が一気に出てきた。





次の日。

顔は涙で濡れて、
服も涙で濡れて、
目は真っ赤になって、

外出れないし、こんな顔じゃ。

なんて思いながら鏡で自分の顔を見た。


『ははは』

無理に笑ってみても乾いた笑いしか出てこない。

もう、どうなっちゃうんだろうか。

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