先輩の背中に３【岩泉一】

背中に84 ページ24

月曜日

髪型はストレート、丸メガネ初登校日です


…といっても特別になにか変わったことがある訳でもなく、いつも通り準備をして、みんなが朝練をしている時間に登校する

校舎には人気が少ない


教室に入って席に座って。

今日は読書

有名な作者ではないけど私はこの作者の話が好き

とても暖かい文を書く人だから


気づけば教室が少し騒がしくなっている


「A、おはよう」

「紗彩ちゃん。おはよう」

「あ！メガネ！丸メガネか。可愛いね」


紗彩ちゃんは目を輝かせて褒めてくれた

嬉しい

それになんかくすぐったい

でも、一昨日鏡を見て確認済みだから。


「…そうかな？
自分ではあんまり似合ってない気がする」

「え？可愛いよ。」

「丸メガネって可愛い子しか似合わないでしょ？」


そう言えば紗彩ちゃんは眉間にシワを作った


「Aは可愛いよ
すぐに自分のこと卑下するのやめて」

「ご、ごめん…」


紗彩ちゃんの目がつり上がってるように見えた


「うん。いいよ。分かってるから、わざと言ってるわけじゃないって。
A、自惚れるの嫌いだよね
褒められるの慣れてないよね
でも私はAに嘘なんてつかないよ。
全部本当
お世辞は言わない。」


紗彩ちゃんはそこまで言って私の頬を両手で包んだ



「だってAのことが大好きだから！」




「うん…私も紗彩ちゃんのこと、大好き」



紗彩ちゃんのことが大好き


可愛くって

厳しくて冷たいように見えるけど、実はとっても優しくて

心配性なところがあって



「…紗彩ちゃん、ありがとう」


紗彩ちゃんは眉間のシワをといて、綺麗に笑った


「いいよ。お礼なんて。」


紗彩ちゃんはちょっと済まして笑ってみせた


照れ隠しかな？？

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