【wrwrd】転生したので無能が抗おうと思います。 (ページ8)

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◇８話◇ ページ8

10月4日

人と会うのが怖くて、食堂に行く時間をずらすようにしてた。
皆が食堂に行くのは基本的に12時〜1時の間だったから2時に食堂に行くようにしてた。

でも神様は味方をしてくれなくて。
ミナとコネシマに遭遇してしまった。
私を見てミナはシッマの腕にしがみついて、Aちゃんだぁーとか猿みたいに叫んでた。

シッマが私に近ずいてきて、正直怖かった。
でもそれを表に出したらミナの思う壺な気がして、できる限り怖い顔をした。
声が震えないようにお腹に力を入れながら、何？って聞いた。でもシッマは何も応えずに顔面に殴りかかってきた。

私も軍の幹部だから、反応は出来た。
顔の前で腕を交差させて、顔には当たらずに済んだ。でもすぐ、お腹を蹴られた。
呼吸が出来なくなった様な気がした。
というか、出来なかったのかもしれない。
シッマは、腹部を抱え崩れる私をゴキブリでも見るかの様に見下ろしていた。

ミナが、守ってくれてありがとうございます♡って言ってた。
その気色悪さに少し笑ってしまった。
それが気に食わなかったのか、シッマは地面に伏している私の肩を蹴り、2人でどこかに歩いて行った。

食堂に誰も居なくなって、堪えていた涙が溢れた。
痛みと悔しさと辛さ。
少し前まで、幹部に蹴られるなんて思っても見なかったのだから。
咄嗟にガードに出した腕。シッマの拳が直撃した左腕は真っ赤になっていた。
呼吸をすると腹部が傷んで、咳が出た。

10月5日

昨日部屋に帰ってきて、寝てしまった。
日記を書いて、そのまま眠ってしまったらしい。起きてからびっくりした。
左腕に大きな青痣が出来てて、お腹には紫っぽい痣が出来てた。放っておいても治る気がしたけど、痣を見せるのが嫌だったから湿布が欲しくて医務室へ向かった。

久しぶりにぺしんの顔を見て、心が安らいだ気がした。
でもその気持ちは一瞬だった。

「話は聞いてるよ。Aがそんな人だったなんてね。俺が治療するとでも思った？」

思わずえっって声が出た。
「ミナの傷、めっちゃ深かったんだ。人のことを傷付ける奴を、なんで治療しなくちゃなんねぇの？」
ちがう。否定したけど、やっぱり聞く耳を持ってくれない。論より証拠なのだから。

「もう一切、医務室にもミナにも近寄るな」

なにも言わせて貰えず医務室から追い出された。
私の拠り所は、もう無いのかもしれない。