File46。「ないふさとりーぬ」（いふりーぬ） ページ46
ー❤︎ー莉犬Sideー
「っねぇいふくん！！いふくんってば！！早っ…痛いし！！」
放課後、まだ下校時間まで1時間以上あるけれどやることもないのでころちゃんと帰ろうとしていた時。
突然後ろからぐい、といふくんに腕を引かれた。
「ねぇいふくんっ？ねぇって！！」
俺の腕を持ついふくんの手。アザができるんじゃないかと思うほどに強く握られていて痛い。
ずんずん先に進んでいくので、スピードについて行けず息も切れる。
「いふくんってば、ねぇ何？どうしたの？怒ってる？」
何も言わないいふくんに、もう少し語気を強めて言おうと口を開いたと同時に、いふくんが空き教室の扉を開けた。
乱暴に俺を教室に放り込むいふくん。弾みで身体を机にぶつけてしまった。
「いっ、た…っ何、ほんと、どうしたの…っ」
「…」
「何で何も言わな＿＿っ！！」
俺の言葉なんて届いていないのか、いふくんは俺の両手を机に押し付けて無理矢理キスをしてくる。
軽く触れるものじゃない、深く絡むキス。、
「っ！？……ん、ふ…っんんぅ、…ぇう、…っ」
ぐぐ、と抵抗はしてみるものの力で俺が勝てるわけもなく。
頭がぼやけてきたくらいで、ようやく唇が離れた。
「は、ッは、……な、に…っ？いふ、く…っ？ど、したの……っ」
力が抜けて、床にへたり込む。
いふくんを見上げると、いふくんはしゃがんで俺と目線を合わせた。
そして俺の目に溜まった涙を指で拭い、やっと口を開く。
「……別れよ」
その口から出た言葉。
たった一言、そう言った。
「別れよ、莉犬」
「な、っ何で……」
いふくんは俯く。その口は辛そうに歪んでいる。
「…他に、好きな奴出来た」
その言葉が嘘なことくらい、見れば分かった。
でも、いふくんが冗談で「別れよ」なんて言うわけがないのも分かっていた。
「っ勝手に、そんなこと言う癖にっ、なんでいふくんがそんな顔すんの、」
いふくんは何も言わず俺を見つめる。
こっちを向いてくれるのも、きっと今日が最後なんだろう。
「…分かった」
いふくんの瞳が揺れる。
「いいよ、別れよ」
「…莉＿」
「ねぇだから、お願い、何も言わないで、行って…っ」
嫌だ、とかわがまま言わないから。
いふくんはぐっと下唇をかんで、
「…ごめん」
そう呟いて教室を出た。
1人になった教室でずるずると座り込む。
「…何も、言うなって言ったのに…っ」
ぎゅう、と強く唇を噛む。
まだ泣いちゃダメだ。早く、帰らなきゃ。
ーーーーーーーーーー
続きます。
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兎和 - わ……白黒最高すぎる…ありがてぇ… (4月17日 22時) (
レス) id: 8407209a34 (このIDを非表示/違反報告)
うさうさ - 狐雪すぅ。さん» リクエストありがとうございます！！頑張ってみますଘ₍♡̷ᐢ⸝⸝•༝•⸝⸝ᐢ₎੭̸‧˚ (4月10日 15時) (レス) id: 18a1ea9563 (このIDを非表示/違反報告)
うさうさ - 兎和さん» まじすか！？！？名前似てたの申し訳ない……。コメントありがとうございます！！ (4月10日 15時) (レス) id: 18a1ea9563 (このIDを非表示/違反報告)
狐雪すぅ。 - 面白い白黒ありがたいのだが病み系すきだしこういう書き方好き。リク：しょうちゃん病みもっかいお願いします… (4月7日 10時) (レス) @page39 id: b6852b2992 (このIDを非表示/違反報告)
兎和 - 初めましてー!作品名がリア友のあだ名と似てたから見にきました!白黒組ありがてぇ… (4月4日 15時) (レス) @page34 id: 8407209a34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うさうさ | 作成日時：2023年7月9日 20時
