26話「余計なこと」 ページ28
『杉本Aハ他人ノ連絡先ヲ盗ンダ』
(なにこれ...？！)
スプレーで大きく確かにそう書かれていた。
暫く何のことか良く分からないままそこに立ち尽くしていると、同じように戸惑った表情の保健室の先生がこちらに向き直り口を開く。
「さっき杉本さん、灰田さんにLIMEの連絡先を渡されたって言ってたけれど、それはどうしたの？」
そこで委員会が一緒だからと、彼女に頼まれて斑鳩三角に渡したことを正直に答える。
しかし、そこで彼女は少し不思議そうな訝しげな表情になる。
「そうなの？おかしいわね、灰田さんが保健委員なのは知ってるけど、斑鳩くんは委員会に所属していなかった気がするんだけど...」
「...えっ？」
一瞬聞き間違いかと思った。
しかし、その意味を脳内で噛み砕いた瞬間、背中に何かが這いずるような感覚に襲われた。
(それってどういうこと...?!)
先生はこちらの発見に気付いたのか、重そうに口を開く。
「灰田さん、実は以前も斑鳩くん絡みで同じようなことがあってね...、これは公になっていないことだからあまり詳しくは話せないんだけど」
「え、前も...って、これは灰田さんがやったことなんですか？」
そう聞くと、彼女は曇った表情で頷く。
「残念だけど、以前も同じことを彼女はやってたわ。あと、これは杉本さんなら誰にも言わないと信じて言うのだけど...」
空気がピリッと張り詰める。
これ以上どんな情報が出てくるというのか。
身構えていると、倉庫の陰から見慣れた一人の少年が出てきたのと次の言葉が同時に重なった。
「灰田さんも、斑鳩くんと同じく1年留年しているのよ」
「....」
見慣れた少年ーーー当の斑鳩三角は黙ったまま、こちらを呆然と見つめている。
「あ、あら、斑鳩くん...いたのね」
保健室の先生は気まずそうに口を開く。
自分はというと、気まずさを通り越して、この場から早く抜け出したいという思いでいっぱいだった。
その表情を見かねたのか、三角はこちらに向かって歩を進め、自分の前まで来るといつもよりも少し冷えたような声音を発した。
「オレのこと、もう放っておいてください」
そう放った時の彼は俯いていた為、表情は上手く読み取れなかったが、いつもより冷ややかな声音から全てを悟った。
ーー私は余計なことをしているんだ、と。
続く (更新停止中)
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ゆら(プロフ) - こちらこそよろしくお願いします！ (2020年4月24日 13時) (
レス) id: fbd4e87e2e (このIDを非表示/違反報告)
Rio(プロフ) - ゆらさん» 良かったです！お手数おかけしてすみませんm(__)mこれから宜しくお願いします〜！ (2020年4月23日 0時) (レス) id: bb9ecc78f8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 来ました！フレンド登録させていただきました！ありがとうございます!!! (2020年4月23日 0時) (レス) id: fbd4e87e2e (このIDを非表示/違反報告)
Rio(プロフ) - フレンドIDそちらにお送りしました...！通知が来ておりませんでしょうか？ (2020年4月21日 11時) (レス) id: bb9ecc78f8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - わからなくて…… (2020年4月21日 11時) (レス) id: fbd4e87e2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Rio | 作成日時：2018年3月30日 11時
