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11.館内警備でトラブル発生 ページ11

教育期間も終わりに近づき、部署ごとに実地訓練が織り込まれるようになった。
柴崎は業務部なので、私と郁とはここから別になる。

防衛部は先輩隊員とバディで館内警備をする。
女子は教官と組むのが常で、今日は小牧教官。





「堂上教官のこと、郁が部屋でさんざん言ってました。扱いが不平等だって。」

それを聞くと教小牧官はくくっと笑う。

「そりゃそうだろうね。ま、芹沢さんもいつかわかるでしょ。」


そりゃそうだろうねということは、小牧教官は堂上教官が郁に不平等な理由を知っている?
いったいなんだろうか。



それを聞こうと思ったとき、堂上教官が図書館の奥へ駆けていくのが見えた。
その先にあるのはトイレ?

「小牧教官、あれ。」

小牧教官が視線をそちらにやると顔が歪む。


まずいな、堂上教官の様子からそう判断したらしい。
「芹沢さん、行くよ。」



















小牧教官と2人でトイレへ向かう。
奥のほうにあるので人気がない。

えっと、どっちに入ったかな。
男子トイレかな?


男子トイレの中を覗くと同時に、男が飛び出してくる。



驚いて男を避けられずぶつかった。
男が私に向く。
手には、

カッター?




「芹沢さんっ」




鋭い声の次に、私は小牧教官の腕の中にいた。

教官の向こうでカチャカチャと音がしたのは、男が取り押さえられたのだろう。



後ろを振り向いてそれを確認した教官は私をゆっくりと離す。

「大丈夫?足、とか。」


すると、左足首にズキッという痛みが走った。

「痛ッ…。」

「ほらやっぱり。足捻ったでしょ。医務室行くよ。」


そのままひょいっと抱えられ、お姫様抱っこ。

「お、下ろしてくださいっ、歩けますからっ。」

言っても小牧教官は聞いてくれない。



抵抗虚しく、再び教官の腕の中にいた。





























部屋に戻ると、郁が顔に湿布を貼っている。

「ぷっ…、郁、どうしたのそれ…。」

思わず吹き出してしまった。


「Aーーー!!ごめんよぉーーー!!!」

泣きついてくる郁。


柴崎に事情を聞くと、



郁がトイレで雑誌の袋とじを切り取ろうとした男を見つけて追いかけていったが、
確保するときに手錠をかけ忘れてしまい、
トイレから飛び出して行った。

そこで男が私とぶつかり、堂上教官に取り押さえられた。
私は転びそうになったところを小牧教官に抱きとめられた、


と、いうことらしい。

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陽子(プロフ) - 早めの更新待ってます! (2017年7月16日 21時) (レス) id: 6132688738 (このIDを非表示/違反報告)
みっち - とっても面白いです!続き期待してます!! (2017年6月23日 2時) (レス) id: 345456b6a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:陽芽=ひめ | 作成日時:2017年4月8日 18時

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