経緯 じゅう ページ11
【江戸川乱歩side】
今、僕が居るのはさっきの駅。遂先程まで太宰に電話を掛けていた。其にしても国木田叫んでたなぁ。
「お話、終わりましたか?」
「うん。終わったよ。此処まで連れてきてくれて有り難う。賢治君。」
「いえいえ!別に此ぐらい大丈夫です!其に山道に慣れてる人がついていかないと危ないですからね!」
「さぁ!帰りましょう!」そう云って僕の手を引く賢治君。僕は賢治君についていった。
「都会にはお菓子が一杯あるんだ!」
「やっぱり都会は凄いんですね!」
僕がヨコハマの話をしてあげると喜ぶ賢治君。
「賢治君は都会に行きたい、そう思わないの?」
「思います!……だけど、此村には僕がいないと駄目なんです。僕は此村の最年少だから、僕がいっぱい働かないと!」
悲しそうな顔をしてそして無理やり笑顔を作る賢治君。
「お父さん、お母さんには行ってきたら佳いって云われました。けれど、僕は都会なんて知らないし、そんな縁も有りませんから。」
「なら、賢治君。僕と一緒に都会に行こう。」
「え?」
「キミも薄々気づいているんじゃない?普通の人間と違うって。」
「!!」
賢治君は驚いた顔をする。こんな田舎の村に異能力者なんてそうそういないだろう。僕だって賢治君を見て驚いた。
「僕の働いている場所は賢治君見たいな子がいっぱいいる。其に、楽しい。」
「……やっぱり僕は普通の人とは違うんですね。薄々気づいてました。お父さん、お母さんよりも力は強いし頑丈ですし…。」
「少し、考えさせてくれませんか?」その言葉に僕は頷いた。そもそもそう簡単に行くとは思っても居ないしね。
* ̄・ ̄* ̄・ ̄*
江戸川乱歩→国木田の叫び声が聞こえて探偵社に帰りたく無くなった。必死に賢治君スカウト中。
宮沢賢治→都会に行きたい…けど…絶賛お悩み中。
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作者名:フ瑠ラン | 作成日時:2018年3月12日 0時