消えぬ想い～K.N～② (ページ39)

今日:9 hit、昨日:8 hit、合計:62,109 hit

冷静沈着。ページ39

舞花が心配をして、私を家まで送ってくれたけど、私はなぜか毅然としていた。

「本当に大丈夫？」

「...うん。意外と。全然大丈夫。」

「A？...私」

「舞花は何も悪くないから謝らないで。」

舞花のあの反応は間違いなく知っていた。だけど、舞花が知っていたところで、その現実は何にも変わらなくて。時間を戻さない限り変えることなんて出来なくて。

私は家に入って、普通に宿題をして、普通に夕飯を食べて、普通にお風呂に入って、普通にゲームをして、普通にベッドに入って目を瞑った。

よく考えたら、つじつまが合う。
学校でも話せなくなって、忙しいのを理由に急に会えなくなる。電話だって、少し話しただけで「もう行くわ。」と言って素っ気なく電話を切る。
何よりもあの最後に交わしたキス。
あれは多分別れのキスで。
もうこいつに会うことないから、最後にキスしといてやるかって。同情のキス。

全部全部つじつまが合う。

あの2人組の言ってることは全て正解で。
私はやっぱり二宮くんとは住む世界が違いすぎたんだ。
ただの暇つぶし。
それだけ。

布団に入って目を瞑っていると、携帯電話が鳴った。
けど、私は着信音が鳴り止むのを待った。

だって。
今更出たところで、今私が解いた答えと答え合わせをするだけで。それは間違いなく100点満点で。
そんな分かりきった回答を聞く気にもなれなかった。

だけど電話はなかなか鳴り止んでくれなくて、私は鳴り止んだ瞬間に携帯電話の電源を落として、引き出しの奥深くにしまい込んだ。

次の日の朝、普通に朝食を食べているとTVから流れてくるニュースが自然と私の耳にも流れてきた。

『2人は共演して以来、交際に発展したのでしょうか？』
『そうですね～、同じ年ですからね、気もあったんじゃないでしょうか？若手の美男美女カップルでとてもお似合いですね。』
『事務所の回答は仲のいいお友達と回答してるみたいなんですが、これは？』
『これはですね、業界内では実質交際を認めていると言っていいでしょう。まぁ...写真も隠せない事実がはっきり写ってしまっていますからね。交際を認めない訳にはいかないでしょう。』

「ねぇ？ニノってお姉ちゃんと一緒の学校だよね？大変そー。」

妹はTVに食いついて見ていた。

「.....。」

「さやか！あんたは早くご飯食べなさい！」

お母さんはついていたTVを切って言った。