消えぬ想い～K.N～② (ページ24)

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太陽。ページ24

11月にもなると日が暮れるのが早くて、夜風は冷たくて、私の心はさらに冷えてブレザーの袖をキュッと伸ばした。

どうしてあんなに冷たいこというの？
私のこと本当に好きなのかな...。本当は私が可哀想に見えて、私とムリに付き合ってるんじゃない？
そんな風に考え出すと、私の思考回路はもうそれしか考えられなくなり、抜け出せなくなる。

また涙が溢れそうになり、私は空を見上げて涙が垂れないように堪えた。

すると後ろから走ってくる足音が聞こえた。

「Aちゃん！」

その声は相葉くんで、私は足を止めて振り返った。

「相葉くん...。」

「送るよ。ってかニノが目で訴えてくんのよ。お前が送れって。何があったの？」

息を切らして、明るい笑顔を向ける相葉くんは何だかパワースポットのようにキラキラと輝いて見えた。

「...私が悪いのかなぁ。もうよく分からない。」

涙を慌てて拭って今出せる笑顔で答えた。

「オレもよく分かんねーけどさ、ニノってふざけてばっかりで、何でも分かってますみたいに飄々としてて何考えてんだか分かんねーって思うじゃん？」

「え！？そう！うん！うん！それすごい分かる！」

相葉くんも同じ風に思ってたと知って、私は無性に嬉しくなって相葉くんの腕を掴んだ。

「あれ、実はね...」

「うん。」

相葉くんの答えに緊張して息を飲み込んだ。

「何も考えてねーから。」

「え？？嘘...そんなはずない！」

「いやいや、あれは生まれつきそーゆう顔なだけで。本当は言いたいことあるけど、恥ずかしくて言えないとか、何て言ったら分からないとか、あとは単純に面倒くせぇなとか本当にただボーっとして眠たいだけとか。そんなんだから。」

「...そうなの？」

「そーだよ、あいつ意外と単純だよ？まぁオレが言うのもなんだけど。」

相葉くんは笑って歩き出したから私もその隣を歩いた。

相葉くんの言葉は、なぜだか分からないけど妙に説得力があって、曇っていた私の心が少しだけ晴れて光を照らしてくれた。まるで雲の隙間から見える太陽みたいだった。

駅に着くと相葉くんはホームには入らずに、二宮くん家に戻っていく後ろ姿を手を振って見送った。

だけどいきなりくるっと回って私のところに戻ってきて「それと、ニノはAちゃんのこと死ぬほど好きだから安心しな？」

ニカっと笑い私に背を向けながら手を振った。