クレープ。 ページ7
2年生が始まって早1ヶ月が過ぎようとしていた。
「ねぇ...一回も話せてないんだけど！」
明日からGW。
舞花と学校帰りにプリクラを撮りにゲームセンターに寄った。
そこの前のベンチに座ってクレープを食べながら舞花は足をバタつかせていた。
「何が？」
「だから、二宮くんと！一回も！」
「あ〜、その話。」
舞花は自慢がしたいために、二宮くんに話しかけようと心みてるけど、最近の二宮くんは学校に来ても1時間で帰ったり、ずっと寝てたり、学校に1週間こない日もあった。
私もあの場所であまり会っていなかった。
「お姉ちゃんに自慢したいのに〜。」
「そんなの自慢になるの？私にはいまいち分からないんだけど...」
「Aはいいよね！話したことあるからそんなこと言えるんだよ。」
舞花に怒りだし、火に油注いでしまった。
正直私は昔からTVにあまり興味がない。
TVといえばもっぱらアニメかゲーム。
小説とかマンガも好きで、現実ではありえない2次元の世界が好き。
だって自分の思い通りの世界が作れるし、自分が常に主人公でいられる。
「Aは昔からTVとか見ないよね？いつもドラマの話とかしても見てないばっかりだし」
「...うん、まぁね。」
「今やってる二宮くんのドラマ！めっちゃ面白いんだよー！Aも見てみなよ！」
「う...うん。時間合ったらみて見るよ。」
って多分見ないけど...いや、、見てみようかな。
そんなことを話していたら、いつの間にか甘いクレープを食べ終わってしまい、ジャンケンで負けた私はゴミを捨てに店内に入った。
「あれ...？」
ゲーム機に夢中になっている人。
帽子を被っていて私服だけど、この後ろ姿は。
「二宮くん...？」
私は思わず背中越しに声をかけていた。
ゲーム音で私の声がかき消された気がしたけど、私の方を一瞬振り向き、また目の前のゲーム機に目をやった。
「クシャミ女じゃん。」
「...うん。」
二宮くんの肩に手をかけて横に座っている男の子と目が合った。
「ニノー？この子誰？知り合い？可愛いーね」
私の目をニコニコしながら見て言った。
するとゲーム機に《GAMEOVER》と画面に映し出されて、二宮くんはゲーム機を軽く叩いた。
「くっそ...」
「そいつなかなか勝てないねーニノちゃん。」
「っせーなー」
そう言ってその男の子の足を蹴飛ばし、席を立って振り返り私と目が合った。
「やっぱクシャミ女じゃん。何してんの？こんなとこで。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 127人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：akiru | 作成日時：2017年6月8日 1時
