消えぬ想い～K.N～ ① (ページ42)

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結果報告。ページ42

舞花はAが意識してるから、そう感じるだけじゃない？って言ってくれたけど。

やっぱり違う...。
こんなの...告白どころか、友達でもいられない。

私はまた心が沈んで、もう立ち直る術をなくしていた。

休みの日。相葉くんとの約束の日。
重たい腰を上げて、待ち合わせ場所に向かった。

すると相葉くんは帽子を深く被って、1人ベンチでクレープを頬張っていた。

「相葉くん。」
私は相葉くんの前に立って話しかけた。

相葉くんは帽子を少し上げて私を見てニカッていつもの笑顔で迎えてくれた。

「Aちゃん。ヤッホー！」

口に付いたクレープを舐めながら言った。

「Aちゃんも食べるー？」

食べたい気分にはとてもなれなくて首を横に振った。

相葉くんはクレープを食べ終わると、自販機で炭酸のペットボトルを買って自販機の前で立ったまま一口含んで、「ぱぁー‼うまい！」と笑顔を見せた。
「今日もあっついねー‼」なんて言いながら私にさりげなくお茶のペットボトルを買ってくれた。

「ありがとう...いただきます。」

一緒にベンチに腰をかけると、相葉くんは近況を話し出した。
いつも通ってる銭湯のじいちゃんがもう体限界だから、閉店するって言ってんのになかなか閉店せずに三年たってるとか、立ち寄った本屋さんで、万引き見つけちゃってどうしようかと思って、その犯人と目が合っちゃったから、防犯カメラ指差したら万引きせずに逃げてった！とか。
相葉くんの周りにはなぜそんなミラクルばかり起きるのか、本当に不思議な人でもしかしたらスーパーマンなんじゃないかと思った。

「で、本題ね？」

私は手にしていたペットボトルのお茶をゴクリと飲んだ。

やっぱり相葉くんの恋、成功してほしいから。無防でも相葉くんなら奇跡起こせるんじゃないかなって。

「結婚してましたー！」

「...え⁈⁈」

「衝撃でしょ？どう考えても高校生並みの、まぁ頑張って大学生だと思ったら、なんと29歳！もう笑うしかないでしょ？！」

そう言って相葉くんは笑った。

「しかも2人も子供いるんだって！もうこれコントだよ！？なんか無性に笑えてそのお姉さんと握手しちゃったよ。」

相葉くんはそのお姉さんがバイト終わるのを待って、話しかけて、『一目惚れしました。友達から仲良くなってくれませんか？』と話しかけたみたいで。

相葉くんはやっぱりミラクル相葉くんだった。