日差し。 ページ36
相葉くんは信じられない様子で、「そんなの聞いたことない！」って言ったけど、これは現実で。
私はハッキリとこの耳で聞いたから。
「ってかさAちゃん、ニノに告白したの？」
「してない...よ。」
「してみりゃーいーじゃん。ね？」
「ほら、やっぱり相葉くんもそう思うよね？私も同じこと言ったんだよー！」
「...簡単に言わないでよ...」
そうやって言うのは簡単だけど、初めて恋をした私が振られるの前提で告白するとかどれだけ大変なことか...
「...まぁさ...聞いちゃったかわりにオレも最後まで協力するからさ！まずは、ニノの身辺調査しといてあげる！」
相葉くんは警察官みたいに手をおでこに当てた。その仕草はなんだか可笑しくて、私たちは顔を見合わせて笑った。
私たちは少しの談笑をした後、お店を出て相葉くんと別れた。
隣にいた舞花はいよいよ目がハートマークになって
「相葉くん、内面までスーパーアイドルじゃん。もう好きになりそう...。」
舞花は手のひらを合わせて、漫画に出てくる恋する乙女みたいになって、相葉くんの背中を見送った。
それから夏休みは淡々と過ぎていった。
何の変化もなくただ毎日が過ぎて行く。
１つ変わったことは、ゲームに没頭しまくって、難関と言われてるゲームを一ヶ月でクリア出来たこと。私ってやっぱり天才かななんて自己満足した。
夏休み明け初日。私は久しぶりに通学路を歩いた。まだまだ日差しはきつくて、全く日焼けをしていない私の白い肌がジリジリとして焦げる感じがした。
いつもの橋まで辿り着くとそこにはいつもの背中が見えた。
私はゆっくりと足を進めると、胸がドクリドクリと私の歩幅に合わせて鳴った。
いつも通りに。
私の気持ちを見透かされないように。
平常心を保てるように、大きく深呼吸をした。
二宮くんにゆっくりと近づいて声をかけた。
「おはよう。」
するとその背中がゆっくりと私を見た。
「おぉ...くしゃみ女。おはよ。」
二宮くんの笑顔が変わらずそこにあった。
夏休み前と同じように、二宮くんの横に並んで歩いた。
「ひ...久しぶりだね。」
「まぁそりゃそーだろ。休みだったんだから。」
二宮くんは自分の肩をクルクル回しながら言った。
ふとその腕を見ると、二宮くんは私と同じような白い肌で。
「しかし暑いなー。オレが外にいる間だけは、太陽なくなってくんねーかな？」
そうまたいつもの会話が始まった。
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作者名：akiru | 作成日時：2017年6月8日 1時
