恋、みつけ (ページ12)

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共通ルート１２ページ12

　
　
　
「あれ？カイトとショウ？」

そしてまた階段の上部から聞き覚えのある声がして、

「おお、ジン」

カイトくんの隣からハスキーボイスがその声に返事をした。

「どうしたん？」
「レンも来てたんだ」
「ショウもジンも久しぶりやな。それとカイトも」
「うん」
「ってことは岸くんも来てる感じ？」
「レン、正解。さっきまで俺と一緒にいたから、もうすぐ降りてくると思うよ」
「あ、本当だ。噂をすればなんとやら」

次から次へと起こるその情報量に頭が混乱し始める頃、階段の上部からまた軽快な足音が聞こえてきて、姿を見せたのは渦中の人、岸さんだった。

「おお！みんな揃ってんじゃーん！」
「久しぶり、岸くん」
「ショウ！今日も麗しいねー」
「なんだそれ」
「レンはこの前、髪切ってもらったばっかりだもんな！」
「そうだね。二週間ぶりかな」
「っておい！カイト！何やってんだよ！」
「え？」

親しき仲間たちの感動の再会に圧倒され、腕を掴まれていたことを忘れていたのは私だけではなかったらしい。

「わっ！ごめん！痛かった？」

手を離し、そう言って覗き込んできた顔。
いちいち距離感のなさに驚くばかりで、首を横に振るだけで声にならなかった。

「え？あれ？Aちゃんじゃん！」
「ホンマや。Aちゃんや」
「レンも知り合い？」
「ジンも？」
「さっき岸くんも一緒に少し話しをしたんだよね？Aちゃん」

神宮寺さんにアイコンタクトをされ、私は「はい」と返事をする。

「ってなんやそれ。派手に汚してんなあ」

永瀬さんが私のドレスの染みを見て、顔を歪める。

「カイトがワインぶちまけた」
「そうなの。俺、やらかしちゃって。だからこのまま返すわけにはいかなくて、追いかけてきた」
「なるほど」
「へえ」

腕を組み、頷くイケメン集団に囲まれながら、私はまた会ってしまったという負の感情の片隅に、ほんの少しだけまた会えたという嬉しさが隠れていることに気づいたけれど、それを認めるのが怖くて、気づかないふりをし、作り笑いを頬に浮かべた。