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#17 ページ17

なぜか起きたら元通り


鏡を見るとそこには見慣れた白い猫



やはり夢だったのかと思ったけれど

一虎さんのシャツが傍にあった



もうこの姿になるとドアノブに手が届かないので、ドアを開けることができない



しょうがないのでドアの近くで丸くなっていると、話し声と足音が聞こえてきた



「Aちゃん今寝てるんですよね?だったら、寝てるとこ撮りたいんですけど」

「いや、あー、ほらさ、寝てるの邪魔しちゃ悪いじゃん?」

「何言ってるんですか、静かにするに決まってるでしょ?写真撮るだけなんですから…まさか、やましいことがあるわけじゃないでしょ?」

「待ってよ、千冬…」



どうやら部屋に入ろうとしているらしい


きっと一虎さんは私の人間の姿を見せまいとしてくれているんだろう


しかし、千冬さんの勢いに押されてここまで来てしまったようだ





ゆっくりとドアが開く


「Aちゃんは…






ってわぁ!?」




足元にいたらびっくりするだろう


私に気づいた千冬さんが驚く



その声に驚いて、首輪の鈴が鳴る



「え…」


そしてその後ろで固まってる一虎さん


「ちょ、千冬ほらA起きてたから帰った帰った!」



ぐいぐいと千冬さんの肩を押して部屋から追い出す



「ちょ、なんなんですか…」








「ちょっとどういうこと!?あの女の子姿のAがいなくなってるってことは、猫に戻ったの!?」

『にゃあ』



言葉も元に戻ったから、通じない




「焦ったー急に千冬がAに会いに行く!とか言うから…」

『んにゃ』



"私を見せないように"という約束をちゃんと守ろうとしてくれたんだ




《ありがとう》




言葉は通じないけど、気持ちは通じるから



「なにー?オレに感謝してくれるの?そんな可愛いAにはおやつあげちゃう!」



細いチューブのような袋に入ったおやつ


一虎さんが手の甲にそれを出して、そこから食べる


舐める度に、リン、リンと鈴が鳴る




「なんかあの姿見てからのAに舐められるのちょっと恥ずかしいかも…」



私を直視しずに遠くのほうを見るように呟く






その頬は、秋の木の葉が色づくようにほんのりと赤かった

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RURI(プロフ) - あおぞら(`・ω・´)さん» わかるwww好きな話とかできるなら永遠にハート押したいよね☆ (2022年3月15日 22時) (レス) @page17 id: 8724428549 (このIDを非表示/違反報告)
あおぞら(`・ω・´)(プロフ) - なんでハートを一回しか押せないんだろう。 (2022年3月15日 22時) (レス) @page17 id: 11b3922fd9 (このIDを非表示/違反報告)
あおぞら(`・ω・´)(プロフ) - RURI、ついに書いたのね、、めっちゃ好き() (2022年2月26日 15時) (レス) @page11 id: 11b3922fd9 (このIDを非表示/違反報告)
RURI(プロフ) - I’m海月さん» ありがとー!お気に入り登録嬉しい(*´˘`*)♡ほんとにありがとーね!! (2022年2月10日 18時) (レス) id: 8724428549 (このIDを非表示/違反報告)
I’m海月(プロフ) - 新作見に来たよー!!!お気に入りなり!! (2022年2月10日 18時) (レス) id: 248713b743 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:RURI | 作者ホームページ:http  
作成日時:2022年2月10日 17時

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