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コンコン、とノックの音がする。
*「入れ。」
睨む私に笑顔を向けながら男の人が言う。
「失礼します。」
「……っ。」
背中を向けていても分かる。
その声の主が……
*「流星、よう来たな。」
藤井さんだって。
表情が見えない。
藤井さんは今何を思ってるの？
「……俺、何も聞いてないんすけど。」
ボスであろう男の人に怖じ気づくわけでもなく、
低い声で言った藤井さん。
記憶はなくても、次期組長としての
素質というものが体に染みついている感じ。
*「まぁ怒るな。ちゃんと理由はあるんやで？
……この子の両親の居場所が分かった。」
「えっ……!!」
伏せていた目を、男の人にやる。
ニヤリと口角を上げているその人は、
私を嘲笑うように見た。
*「多分、もうすぐ会えるんとちゃう？」
……酷い。
我慢していた涙が、怒りに変わっていく。
濱ちゃん達だけでなく、
お母さんたちまで道連れにするの？
何も出来ない自分が悔しくて
唇を噛み締めた瞬間、
ポンッ、と優しく肩を叩かれた。
それは紛れもなく藤井さんの手で。
私の体で、男の人には見えていないらしい。
2、3回優しく叩かれ、気分が落ち着く。
まるで大丈夫、安心してって言われてるみたい。
「俺は何をすれば？」
*「流星は、今から来る奴らを始末するグループに入れ。」
一瞬、藤井さんからグッとなにかを堪える空気を感じた。
*「いくら戦闘経験が少なくても、
1人ぐらいは殺れるやろ？」
この人、最低だ。
濱ちゃん達が藤井さんに手を出せないのを分かってて言ってる。
……まさか、藤井さんもそれに気づいてる？
さっきの行動といい、記憶が戻っていないと辻褄が合わない。
「分かりました。他の人達はどこに？」
*「いつもの部屋で今か今かと待ってんで。」
じゃあ俺も行きます、と出ていく藤井さん。
一瞬、振り返ってその背中を見る。
「……っ、気をつけて。」
小さく、呟く。
藤井さんの背中は覚悟を決めたかのようにどっしりとしていた。
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Sayaka - 完結おめでとうございます！！この作品見て泣いちゃいました(T_T) (2016年4月14日 2時) (
レス) id: 23ccccb97d (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - 完結おめでとうございます！おとぼけコンビは私も大好きなので最初にお見かけしたときはうれしかったです！２年間お疲れ様でした！ (2016年3月23日 18時) (レス) id: e7bbfc663b (このIDを非表示/違反報告)
ふみみ - 更新楽しみにしてます！ (2015年12月30日 17時) (レス) id: daa6d33806 (このIDを非表示/違反報告)
美亜(プロフ) - 久々の更新ありがとうございます！占ツクを読み始めて最初に出会ったのがこの作品です。瑠璃さんの作品どれも好きです！パスかける際教えていただけたら嬉しいです！ (2015年12月30日 14時) (レス) id: a006037292 (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 初めて読んでから、ずっとこの作品が大好きです！！�陲舛磴鵑縫疋�ドキしてます笑パスはできればかけて欲しくないですが、もしかけるときは教えていただけたら嬉しいです！ (2015年12月30日 9時) (レス) id: 357d5f89bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃
| 作成日時：2014年12月18日 21時
