■仮面とサイレンの間に■4 (ページ9)

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･その9 ページ9

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ブルー「おい、何言ってるんだレッド。」

イエロー「どういうこと？」

その突拍子もない提案……いや、アリスへの宣戦布告ともとれるレッドの言葉に、ブルーとイエローは戸惑いをみせた。
レッドにも何か考えがあっての言葉だろうが、2人はその真意を掴みかねている。

レッド「……ギャングラーをぶっ潰せば、お前は解放されるんだろ？なら、その役は俺がもらう。」

「私の〝ファミリー〟だ、簡単に潰させはしない。
……そもそも、コレクションを集めることがお前たちの目的ではないのか？」

レッド「ついでだよ、つ･い･で。
どーせコレクションを集めるなかでギャングラーを倒していくワケだしっ。
……それで最終的にお前を助けられるなら、一石二鳥じゃん？」

飄々としたレッドの口ぶりに、だんだんとアリスの瞳が静かに燃える。
地面に刃先が下りていた刀の柄(つか)が強く握りしめられる。

「──……助ける、だと？……余計な世話だ。」

冷たく突き放すような口調は、いつもと変わらない。
だが、その声色にはわずかな感情が滲んでいるようだった。
それがどんな感情なのか、恐らくアリス自身も解っていないだろう。

「私の居場所はあそこ(ギャングラー)にしかない。
……他人の生き方に指図できるほど、快盗は暇なのか。」

レッド「ただの他人じゃない。お前だから、だよ。」

レッドの言葉がしんと響く。
その瞬間だけ世界中の音が止んだかのように。

アリスはぐっっと眉を寄せて彼を睨んだ。
飛びかかるように刀を構えて駆け出す。

「どちらも同じことだッ」

振り下ろされたアリスの大刀をレッドがルパンソードで受け止めると、視界の外から短刀が喉元めがけて突き出される。
その二段攻撃を予想していなかったレッドは不意を突かれる。

レッド「くっ……！？」

上体をめいっぱいに反らし、寸前でその刃を躱すがスーツの立襟がばっさりと切れてしまった。
アリスはそのままマントの裾を掴み上げると、もう一度急所を狙って刀を振り上げる。

イエロー「レッド！」

ブルー「伏せろっ(快盗ﾌﾞｰｽﾄ!」

「……ちっ。」

ブルーが投げたシザースビークルのブーメランにより、レッドから間合いを取らざるを得なかったアリス。

急に殺意を剥き出しにしたアリスから距離を取りつつ、体勢を立て直す三人。

決定打を与え損ねたアリスは小さく舌打ちをすると、両手の刀に雷を纏わせた。

「……散れ。」

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