■仮面とサイレンの間に■4 (ページ5)

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･その5 ページ5

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その言葉は圭一郎にとっては思いもよらない返事だった。
ぽつり、と呟いた声はあまりに弱弱しく、琥珀色の瞳が寂しそうにゆらゆらと揺れている。

(アリスは、いったい何を抱えている……？？)

圭一郎は彼女の素顔に、境遇に、思いを馳せる。

アリスと1号が無言で剣を押し合うなか、2号と3号の連携プレーに圧されたスダルがそこになだれ込んできた。

スダル「くそ…っ…！」

そちらに圭一郎の気が逸れた隙に、アリスは1号を押し退けて体勢を立て直す。
スダルとアリス、パトレンジャーが対面する位置関係のなか、耳打ちするようにアリスはスダルに囁いた。

「……スダル様、まだコレクションはお持ちですか？」

スダル「あ"？当たりめぇだろ。」

「ならば一度退いて仕切り直しましょう。快盗がここを嗅ぎつける前に。……時間は私が稼ぎますので。」

そう言ってアリスは、すらりとした曲線美の愛刀にバチバチと雷を纏わせる。

あの攻撃は…！とパトレンジャーが身構えると、それを好機とみたスダルがアリスの背後に後ずさりする。

「そうだな。これ以上お前らに付き合ってられっか。
もう一度姿を消して……」

その時、ピシャピシャっと液体が飛び散る音が響く。
アリスが振り向いた先には、3色のインクが空中に浮かんでいた。

スダル「ん？……な"っ！なんだこれは…っ…色、着いちゃった！？」

イエロー「同じ手を使おうたって、そうは〝イカの塩辛〟だよっ♪」

ブルー「……タコだけどな。」

虚を衝かれて取り乱すスダルと、それをからかうように登場したイエローとブルー。

スダルの逃走を防いだのは、快盗たちが投げたペイントボールだった。

(……ひと足遅かったか。)

アリスはマスクの下でグッと唇を噛む。

1番高いところから全員を見下ろすレッドは、パトレンジャーとアリスに目がけて数回トリガーを引いた。

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