・その4 ページ4
.
スダル「うあぁぁ!」
濡れ衣を着せられていたパトレン2号は、その汚名返上のため、並々ならぬ想いを込めてスダルを投げ飛ばす。
情けない叫び声を上げたスダルは、背中から着地しヨロヨロと立ち上がった。
彼のその隙を狙って、パトレンジャーは追撃を浴びせるためにVSチェンジャーを連射するが、着弾音ではなくキキキンッと甲高い音が響く。
彼らの銃弾は、どこからともなく現れたアリスの刀によって弾かれていた。
「……スダル様、合流場所が少々違うのでは?」
スダル「っるせぇ!そんなことイイから、さっさと手伝え!」
水色のスカートをはためかせながら彼を庇うように降り立ったアリスは、皮肉を交えてスダルに問う。
どうやら
横暴な態度で彼女に指示をするスダルに見向きもせず、アリスは背中越しに答えた。
「すでに実行済みです。」
「「「アリス!?」」」
2号を中心に置いたフォーメーションを組んでいる3人は、アリスの乱入に驚きつつも冷静に対処していく。
1号と3号はパトメガボーを取り出し、それぞれアリスとスダルを分担して近接戦に持ち込もうとしている。
一方、射撃が得意な2号は後方からの援護を任された。
スダル「ちっ、かかってきやがれ!」
3号「いくぞ咲也!はぁぁぁっ!!」
.
双刀での斬り合いを仕掛けるアリスと、銃刀を巧みに使いこなす1号。
両者のせめぎ合いはほぼ互角だ。
1号「なぜいつもギャングラーの味方をする!?
お前は人間じゃないのか!」
「…………。」
アリスは何も答えない。
飄々と攻撃を
その冷めた眼差しの奥に、圭一郎はかつて拐われた人々を解放した時のアリスを探す。
1号「あの時、なぜ俺たちを見逃したんだ!
殺 すことだってできたはずなのに!」
「…………。」
1号「お前は何のために戦っているんだ!
何か理由があるのか!」
「…………。」
1号「いい加減答えろっ!
……お前はいったい何者なんだぁぁっ!」
1号の、いや、圭一郎の心からの言葉を乗せた一撃がアリスの短刀を弾き飛ばした。
愛刀の行方を目で追うアリスだが、間髪入れずに追撃がくる。
パトメガボーを右手の刀1本で余裕なく受け止めると、鍔迫り合いのなかでアリスは1号を睨みつけて答えた。
「……そんなの、私だって知りたいよ。」
彼女は答えないのではない、答えられないのだ。
.
101人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かな - 続きが楽しみです (2月18日 8時) (レス) id: 840a7f1f24 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 待ってます! (1月19日 23時) (レス) @page16 id: 840a7f1f24 (このIDを非表示/違反報告)
カホ - 続きお願いします。 (11月13日 20時) (レス) id: 57157133d2 (このIDを非表示/違反報告)
ミミカ - 待ってます! (9月23日 22時) (レス) id: 57157133d2 (このIDを非表示/違反報告)
ノノ - 続き待ってます! (8月23日 11時) (レス) @page15 id: 8226e604cb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:くっきーー(゚レ゜) | 作成日時:2022年8月1日 0時