ときどき、スキを見せてあげる。【短編集】

虹色のオーナメント ページ16

- 桂




*



長い髪の毛を女の子みたいに横でゆるく結わえて、外の匂いと冷たい冷気を纏いながら、桂は帰ってきた。
「ほら」と差し出してみせるのは、ケーキが入った箱と、おしゃれなロゴが目立つ黒い袋。

――――あ。何か買ってきたんだ。


桂「――･･ツリーを、買ってきた」
　「わぁ!･･･ホワイトツリー!かわいい!」


コタツにいそいそ潜りつつ電気を消し、桂は小さなツリーの横に付いていた突起をカチャリと押した。

――……と、七色に光だすツリー


桂「きれいだろう?…」
　「うん!…すっごく」

桂「本当か!?それは良かった」


ツリー一つあるだけで、クリスマスな感じ。
私の頭を優しく撫でる桂に、微笑みを返す。

相変わらず人にばっか甘くて、自分にはすっごく厳しい桂。
……だからね、私いっぱい褒めてあげるの。


　「ありがと。…ありがとうね」
桂「喜んでもらえるか、悩んだが。
　その甲斐あったらしい。」

　「――…もちろんだよ」


……もう!変なとこで照れだすんだもん!


　「聖夜に誓おう。ずっと一緒にいよう」

桂「――…ああ」


そっぽ向いていた桂の視線と、私の視線が絡まり合う。
ううむ、とスーツ姿の桂が、かわいいツリー片手に悩んでるとこなんて、考えただけで嬉しくなるし、たまらなくなる。

――…好きな人と過ごすクリスマス。


悪くないかもしれないな。



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リクありがとうございました!

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