89.目覚め ページ47
寧々side
…
はっ…
ガバッ
土籠「目が覚めたか」
寧々「先生…」
土籠「オウ」
寧々「い、今のって…」
花子くんとAちゃんに似た男の子と女の子
…いや、あれは…
土籠「二番の時も見たろ、依代に宿った記憶だ」
寧々「じゃあ…先生が言ってた未来を変えた人ってまさか…」
土籠「柚木 普 柚木 A 昔の七番と零番だ」
…昔の花子くんとAちゃん…
土籠「普通の普と書いてあまねと読むんだ変わってるだろう、そして二人とも苗字の漢字が同じ、読み方さえ一緒だったら結婚していたみたいだよな」
笑いながら話す先生
土籠「まァ…変わってたのは字面だけじゃあないが…」
土籠「あの日の前日、人類は初めて月へ行った、それがどれだけ特別な出来事か想像するのは難しいかもしれんが今じゃ”月は行ける場所”それが常識だ」
土籠「でもあの頃は違った、ガキは到底叶わないような夢を見る、月に行くってのも非現実な夢物語だったのさ、だがそれが現実になった」
土籠「なら他のどんな叶いそうもない夢だっていずれ実現するんじゃないか?この世に不可能なことなんてないんじゃないかって…」
土籠「自分達はきっと何にでもなれる、どこへだって行けるはずだ、世間様がそんな希望に満ちてる中、」
土籠「”どこにも行かない”そう言ったアイツらを俺は担任として心配するフリをしていた」
寧々「フリ…?」
土籠「あぁ俺は昔っから教師のふりをしたただの怪異さ、それに高をくくってた」
土籠「16時の書庫で柚木 普と柚木 Aの本を…その未来の記述を俺は読んでいて教えろと言いながらその身に何が起きているのか、これから何が起きるのか知っていた」
土籠「アイツらの本にはな…将来、柚木普は星好きが高じて理科の教師に、柚木Aはその柚木普の妻になると書かれていた」
寧々「え…」
じゃあ、なんで…
土籠「しかも勤め先はこの学園、生きてりゃ俺の同僚だったな」
そう言いながら笑う先生
でも…
土籠「あんな…ガキのうちに死ぬはずじゃあなかったんだがなァ…」
そう言って少し項垂れる先生
土籠「柚木普と柚木Aは俺が知る未来を変えた唯一の人間だ、続くはずの未来を絶ちあの時の言葉通りどこへも行かずここにいる」
”今でも七不思議の七番目と零番目の怪異として”
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ミク(プロフ) - 番外編見たいです (2020年5月23日 16時) (レス) id: 1e828f9e08 (このIDを非表示/違反報告)
runasirose(プロフ) - すみません!つい、夢中になってしまって…最初の時も指摘下さってありがとうございました!気をつけますね! (2018年10月28日 0時) (レス) id: 25b21abf11 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認ください。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年10月28日 0時) (レス) id: d65d31083e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:runasirose | 作成日時:2018年10月28日 0時