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「…ゴールド、お前の頑張りに免じて、さっきの質問に答えてやる。」
シルバーはくるりとゴールドの方を向いて、図鑑のホログラムモードを起動する。
ぶん、と音がして、ホウオウの銅像が映し出された。
「そいつは！」
「エンジュの事件は『ホウオウ』を呼び込もうとする計画のひとつだった」
「『呼び込む』！？」
『…このエンジュシティはホウオウ伝説の残る地。』
「そしてスズの塔とは、伝説の鳥ポケモン"ホウオウ"が降り立つ場所だったと言う。」
イブも知ってたのか、とゴールドが言う。
まあ、ね、と少し曖昧な返事をした。
『奴らはスズの塔を破壊することで、ホウオウの帰巣本能に訴えられないか、という実験を行っていたのよ』
「『帰巣』…！？巣に戻ってくるってことか！？」
「つまり『巣』であるスズの塔に戻ってくるかもしれねーっつー『仮説』の『実験』な訳だな！」
改めて聞いても怒りしか湧かない。
そんな事のために、ホウオウを利用するためだけに、この街を破壊したなんて。
ホウオウを利用するのも許せないけれど。
「そして『俺の目的はなにか』という質問に答えるなら、それは『奴らをぶっ潰すこと』といいうことになる！」
『！』
「さらに俺自身、ホウオウを追うべき使命を持っている。その使命を果たす為なら、俺は手段を選ばない…」
たとえ、非合法と責められようとも…
そう続けたシルバーの眼は、強い意志を宿していた。
「急ぐぞ、ニューラ、アリゲイツ！ペリドットも来い！」
『…ごめん、ゴールド！また会いましょう！』
「あっ、おい！イブ！」
走り出したシルバーに、私も着いて行った。
最初は不審に思っていたけれど、今はそれとは別に聞きたいことが沢山ある。
--暫くは、彼について行くべきだろう。
(…"いかりの湖"のことも、少しは気になるし)
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作者名：神菜 | 作成日時：2018年11月24日 14時
