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***
『---ロゼ、"ふぶき"！』
突如、俺達の周りが豪風と雪に包まれた。
「な…！？」
「この声は…！」
はっ、として後ろを向く。
ベージュの髪を靡かせて、翡翠の眼が色褪せずに左右に煌めく。
再会できたのが嬉しくて、つい、彼女の名前を呼んだ。
「---イブ！」
***
『誰かと思ったら…ゴールドじゃない！』
「おま…なんでこんな所に！」
『こっちの台詞だけど…話は後！』
闘っていたのはなんとゴールド。
それに、初めて見る紅い髪の少年だった。
手には図鑑が見える--から、恐らく味方。
『自己紹介…してる暇もなさそうね』
「軽く30人はいやがる…こいつら、これだけの戦力をつけて一体何をするつもりなんだ？」
窪地の上に立ち、私たちを囲む影。
それらは全てロケット団の残党達で、私もこれだけの人数が集まっているとは思わなかった。
「もうことは既に起こっている」
「！」
『この件は人災よ。エンジュ壊滅は…ロケット団の仕業なの！』
「なんだって！？」
ロケット団の男が、私と、私の隣に立つ紅髪の少年をじっと見つめる。
「チッ…ペリドットめ、逃げたと思ったら此奴らの知り合いだったとは…少々面倒臭いことになったな。」
「それに、紅い髪…？そう言えば聞いたことがあるぞ。ワカバタウンやヒワダのヤドンの井戸の件で我らの邪魔をしたというのはお前だな？」
糸が張り詰めるような緊張感が辺りに漂い始める。
ロゼに手を添えて、いつでも指示が出せるようにした。
「油断ならん餓鬼だ！この場で片付けてくれるわ！」
バッ、と下っ端のポケモン達が攻撃を始めようとする。
私もロゼに、技を命じようとした時---
カカカッ、と音がして、三匹のポケモン達は呆気なく地に伏せた。
『ゴールド！』
「ワカバタウンといえば、オレとシルバーの戦いに割って入ったヤツが居たんじゃないかと思ってたが、あれはお前らだったのか！」
「今回の件と言い、許せねえ！助太刀するぜ、シルバー！」
「邪魔だ、大人しく見ていろ」
「な…なにィ！？」
『(大丈夫かなぁ…)』
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作者名：神菜 | 作成日時：2018年11月24日 14時
