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第五十二話「う……うさぎ!」 ページ11

No side






黒華「……ここが、私の部屋?」

中「嗚呼。好きに使って良い。」

黒華「了解」



中原中也は、黒華を見つめている。

前々から光の無かった目。

しかし、今は、絶望、後悔、悲しみ、自分の無力感。

そんな感情で溢れかえっている、真っ暗な目をしている。

中原中也の口角が上がった。

これだから、闇にピッタリなんだ。

彼女に与えられた、幹部補佐という肩書き。

中原中也は、部屋の説明を終えると足早に自室へ戻っていった_




in 武装探偵社


敦「……紫苑、さん……?」

紫苑「……………」




いつもと違う、思い詰めたような表情に、困惑する社員達。

すると、美由華と太宰は異変に気付いた。




美由華「お兄ちゃん……」

太「黒華ちゃんは……?」




ダァン!


紫苑が、机を叩く。

いつもの穏やかな紫苑ではなく、黒華が出てきた時のような雰囲気に、社員達の顔が強ばる。



紫苑「黒華がっ………、ポートマフィアに連れていかれた。」



困惑する社員達。

「理想」と書かれた手帳と万年筆を落とす国木田独歩。

資料をバサバサと落とす中島敦。

紅茶の入ったカップをお盆ごと落としそうになる谷崎ナオミ。

その紅茶セットを受け止める谷崎潤一郎。

治療だと振り回していたノコギリを誤って壁にぶっ刺す与謝野晶子。


「完全自 殺読本」を床にパタリと落とす太宰治。

今にも叫び出しそうな顔の佐々倉美由華。


その中でも、一番青ざめていたのは江戸川乱歩だった。




乱「……黒華が、ポートマフィアに……?」



うまく事態を飲み込めていない社員達を前に、扉が音をたてて開いた。



全-福「社長!!」

福「………これより!」

福「探偵社員総出で、黒華の救出作戦を行う!他の仕事や事務は全て後回しだ!」




その数秒後、ようやく事態を飲み込めた社員達は、各自自分のするべき事をし始める。




福「紫苑、太宰、乱歩。社長会議だ。」

紫苑太乱「了解/はい/……」

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作者名:霧雨柊月×ルルミ | 作者ホームページ:霧雨柊月  
作成日時:2018年11月16日 18時

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