優しさ届ける広い空！6

＊２４６話　家族愛 ページ36

お腹を鳴らした人物は言わずもがな…

の「ご、ごめん…」

り「のぞみぃ…」

貴「ふふっ…お花見のときも、こんな感じだったね」

思わず涙も引っ込み、代わりに笑いが込み上げてきた

貴「あはは、のぞみのお腹、いつも空気読めないねぇ」

の「Aちゃん、それ褒めてないでしょ」

え、逆に今のをどうやって褒めればいいの?

フォローではなく褒めろと?そうおっしゃいますかお嬢様?

り「当たり前でしょ。褒められることしてないんだから。普通は怒られるところよ」

の「え!?そなの!?」

か「そうよ」

のぞみは本気でびっくりしたようで、目がまん丸だ

貴「でも、おかげで涙止まった。ずっと泣いてるわけにもいかないし、ありがとね」

の「!!で、でしょ?私はそれを見越して」

り「は、なかったでしょうが」

りんから厳しいつっこみが入る

の「」

貴「マフィンもありがとう、もう大丈夫」

マ「全く…ハンカチビチョビチョじゃない」

いや、ハンカチですんだんだから褒めてほしいくらいだよ

バスタオルまでいかなかったもん

こ「相変わらずAは涙もろいわね」

か「Aってあれでしょう。小説や映画で誰よりも早く泣き出すタイプ」

貴「そ、そんなことない…です………たぶん」

私より泣く人だって、私より先に泣き出す人だって、きっといる…はず

貴「それにほら…今回は特に…私が一番弱いタイプですし…」

こ「弱いタイプ?」

貴「あー…家族愛って、すごい感動するんですよ、私」

事情(記憶喪失)を話しているメンバーとうららちゃんがハッと息を飲むのが分かった

みんな本当に優しい

人のことなのに、こんなに親身になってくれるんだから

の「??Aちゃんは家族愛の映画とかが好きってこと?」

貴「うん、そんなとこ。家族愛はね、泣けるよー」

り「ホラーよりはずっと好きかな」

りんらしい

そしてそれはめちゃくちゃ同意

の「Aちゃんも家族のことが大好きなんだね」

貴「!うん、大好き…」

これから先もずっとずっと、みんなと同じくらい大好き

・・・これって見方を変えれば、みんなのこと、両親くらい好きってことだよね

みんなすごい…

家族と同じくらい好きで信用できる仲間なんてなかなか出会えないと思うよ?

そんな仲間に出会えた私って運がいい

貴「ていうか、のぞみ、お腹すいたんじゃなかったの?」

の「い、言わないで…余計にお腹すくから…」

う「あ、それなら…!」

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