優しさ届ける広い空！

＊プロローグ ページ2

「〜♪今日も一日乗り切った。明日からはお休みだし…！生徒会に部活に勉強、全部一気にこなすのは大変だけど、休みを思うとやる気も出るってもんだよね」
それに、私の目標はプリキュア5のかれん様だから、少しでも近づけるよう頑張りたい…！
なんて言っても、プリキュアはアニメの世界だから実際にかれん様みたいになるのは難しいけど…。
「お姉ちゃん」
「？」
後ろから声をかけられたので振り向くと４,５歳くらいの小さな男の子が立っていた。
「どうしたの？」
「僕、おもちゃ屋さんに行く途中でママとはぐれちゃったんだ…。だから、一緒に探してくれない？」
・・・すご…。なんてしっかりした子なんだ…。
「そっか…じゃあお姉ちゃんと一緒におもちゃ屋さんに行ってみる？もしかしたら君のお母さんもそこにいるかも…」
「本当！？ありがとう！！」ニコ
お、いい笑顔。私がこのくらいのときは泣き虫だったんだよねぇ。
誤解がないように言っとくけど今はそんなことないから。
「どういたしまして。さ、行こう」
「うん！」
私と男の子は手をつなぐとおもちゃ屋に向かって歩き出した。



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「あ、見えてきたよ、ほら、あそこ」
私はおもちゃ屋を指さす。すると男の子の顔はパッと輝いた。
「！！ママ！」
男の子の声におもちゃ屋の前で不安げに辺りを見渡していた女性が振り向く。
「お母さん、君のこと心配してたみたいだよ。早く行って、安心させてあげな」
「うん！お姉ちゃん、本当にありがとう。ばいばい！」
男の子は手を放すとお母さんの方へ駆けていった。
交差点だけど青信号だから特に問題ない

と、思っていたのに…


「！？君、急いで戻って！！」


「え？」


男の子は私の言葉に気づき、反応してくれるけど、車が突っ込んで来てることには気づいていない。
お母さんは気づいてるみたいだけど動けずにいる。
・・・つまり、あの子の命を助けられるのは…



「私だけっ！」



自分にできる全力ダッシュで駆け抜けると男の子を突き飛ばした。
・・・何この漫画みたいな展開。なんて考えてる私っておかしい？
いやおかしいけど。
生まれてきて早１４年…。短い人生だった。
でも、こうやって一つの命を救えたし、プリキュア5は最後まで見たし(笑)悔いはないかな。
私はそっと目を閉じる。
周りは暗闇と静寂に包まれていた。

＊１話　出会い〜かれん・こまち編〜→←＊設定

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